数理音楽
今年の卒論ネタの一つから. 金管などいわゆる開口端の楽器はマウスピースやリードからの振動を共鳴器で拡大させて特定の周波数の音を出すように作られているわけだが,それは反射波との共鳴によってなされるとされている.しかし,普通に考えると何の壁もな…
本タイトルエントリーもこれで3つ目となる. 前回は確か Tristan chord が四度堆積和音の半音変形なんだってことを見つけた話だった. tokidoki.hatenablog.jp 最近 Blackadder chord*1 なるものを某学生が教えてくれた. これは音楽研究家Joshua Taipale氏…
「数理音楽の風景」と題したエントリーを書いたのが,もう2年前のことだ. tokidoki.hatenablog.jp ちょうどその頃,極大均等性のコンセプト下での調性音楽理解の可能性が見え始めたところで,この点でいくつか書き物をしてきた. Spatio-temporal Symmetry …
2012年度卒業生から始めた当ゼミでの数理音楽なる分野, その風景を数回シリーズでまとめてみよう.準周期系の研究において連分数にまつわる力学系を扱うことが多かったことと, はるか以前から音楽の仕組みに数理的仕組みが見え隠れしていると感じていたの…
4月にこのネタで書いてから随分経ってしまった. tokidoki.hatenablog.jp このときはTymoczkoの論文を読んだゼミ生の卒論が元となって書いたものだったが, それ以後も折に触れ(特に毎朝のピアノにて)四度堆積は色々と観察してきた. 四度堆積というのは五…
その昔,Debussyが音楽院の学生だった頃, 完全四度を積み重ねた和声による音楽をまだ誰も作っていないことにあるとき気付き, とても喜んだ,という逸話を何かで読んだ気がする. この四度堆積和音という視点はそれ以後, たくさんの音楽家たちによって試み…
新年のあいさつ代わりに,昨日作ったあるイラストを紹介.(クリック拡大↓) 紀元前のピタゴラスあたりから明確に12音音階が意識されてきた中で, なぜDiatonic tone(白鍵のこと)は7音で,しかもあのように選ばれたのか, についてのおそらく尤もらしい説…
どうやって進めようかな,とちょっと先行きが不透明なのが音楽ネタ. 今年は和声の不協和度を中心に進めていくのか. 何だかちっとも進みそうになかったので, 差し当たり理屈の基本となるであろう「不協和度曲線」について, その場で読み進めてもらってあ…