遊び tokidoki 仕事

数学と音楽と教育と遊び

| おしごと - きょういく - がくせい - ゼミ - イベント | すうがく - おんがく - 数理音楽 - DTM - かがく - scratch
| Art - photo - おきにー - Tips - ものもう - あれこれ | About - Top

すうがく

Fibonacci-iccanobiF

久々のエントリーとなるが,瓢箪からコマというか,思いつきである講義(というか,ほとんど自分が教えることなくfacilitatorのような役割をしている)で紹介した現象について.世間的にはおそらくよく知られた話なのだろうが,Fibonacci数列をmodulo Fibona…

開口端でも気柱共鳴が起こるのはなぜ?

今年の卒論ネタの一つから. 金管などいわゆる開口端の楽器はマウスピースやリードからの振動を共鳴器で拡大させて特定の周波数の音を出すように作られているわけだが,それは反射波との共鳴によってなされるとされている.しかし,普通に考えると何の壁もな…

四度堆積からの誘い(3)

本タイトルエントリーもこれで3つ目となる. 前回は確か Tristan chord が四度堆積和音の半音変形なんだってことを見つけた話だった. tokidoki.hatenablog.jp 最近 Blackadder chord*1 なるものを某学生が教えてくれた. これは音楽研究家Joshua Taipale氏…

連分数likeなエジプト分数分解

大学院向け某夜間授業で出された話題で,をエジプト分数に分解するアルゴリズムの紹介がされた. すぐに互いに素なに対するでは如何?となるわけだが,連分数likeな展開方法を幾何学的意味と共に考えたので備忘録. そういえば,連分数展開の力学系的意味を2…

数理音楽の風景(2)-12ヶ月はLydianを奏でる

「数理音楽の風景」と題したエントリーを書いたのが,もう2年前のことだ. tokidoki.hatenablog.jp ちょうどその頃,極大均等性のコンセプト下での調性音楽理解の可能性が見え始めたところで,この点でいくつか書き物をしてきた. Spatio-temporal Symmetry …

算数事始め(2)

シリーズにするつもりはなかったんだけど,また虱潰しに調べてみたので,報告. tokidoki.hatenablog.jp算数科研究ネタ探しを続けているが,調べるとこんな算数活動もあるらしい. □□+□□=□□ 1,2,3,4,5,7全てを□に当てはめて,正しい式にしましょう. (小学…

算数事始め

年末からどうも体の具合がおかしく,卒論の手直しが思うように進まない. 背中がゾクゾクするし風邪かと思うのだが,どうも花粉症的な症状に近い. そういえばこのところ毎年正月前後に体の調子が悪くなる. ようやく一息つけると,気持ちが油断するのかもし…

Factorization!(追伸)

tokidoki.hatenablog.jp ↑でやった素因数分解のビジュアリゼーション,Javascript化したよ.See the Pen Factorization flower by tabris17 (@tabris17) on CodePen.やっぱ,Javascriptのほうがキレイ.

Factorization!

久しぶりにScratch作品紹介. 素因数分解をビジュアルに表現するってのがその筋の人たちのちょっとしたブームになったことがあった. 始まりはここかな↓ mathlesstraveled.com JavaScriptでアニメーションしてるのが例えば↓ Animated Factorization Diagrams…

算数で起こった天下三分の計ーその後

「0は3の倍数か」で天下三分の計が起こったことを前回報告した. tokidoki.hatenablog.jp今回はその後ちょっと調べてみたら,あの結果は妥当なものなんだろうなぁ,という結論に至ったので追記. そもそも算数の教科書ではどう書いてあるのだろうか,とちょ…

算数で起こった天下三分の計

今年度から久しぶり,そう実にこの大学で非常勤をやっていた時代からして15年以上ぶりの「算数科研究」を担当することになった. 何しろ久しぶりであるし,久しぶりの他学科相手であるし,当時に比べて一クラス60名と大人数になって少々ビビりながら始めた講…

Open Campus 2018

Open Campus 2018. 今年は外部の何かイベントと重なったため,例年より1週遅く開かれた. 昨年度まで好評のはずだった「学生による模擬授業」がなぜか閉鎖されたため,今年は講座の説明会で学生らに模擬授業をしてもらった.午前中は例年通りの満席.300人…

Benford則を見てみた

今年も講義「統計とコンピュータ」がはじまった. それが一般の学生なら興味を持つ話題であっても数学の学生はデータを眺めることが嫌いだ,というこの十数年の経験が気持ちを曇らせるのだけど,また新たなネタ作りを試みている. 今年はBenford則をやってみ…

ようやく卒論審査会 in 2018

今年度もようやくここまで来ました. タイトル,一人だけまだ決まってないとき. 緊張の本番開始. 結構うすい環(わ)ぁ,土星の環 ―重力ポテンシャルを利用した惑星環形成のモデル―土星などの惑星環が薄く形成されてしまう理由を簡単な力学だけで説明を試…

九平次とブルックナーと,そして卒論添削

今年の暮れも,例年の如くゼミ生の卒論添削で年を越す. こうして手直しをする中,結構面白い発見をする. 例えばピタゴラス数を生成する行列の話は, ピタゴラス数を2パラメータで表示するとき,そのパラメータが動く空間と 原始ピタゴラス数全体のなす空間…

sin波による疑似フォルマントシミュレーション

今年の4年ゼミ生の一人は音声分析・合成をテーマにしている. EXCEL上でちまちま作業してもらっているが, 線形予測によるフォルマント抽出がうまくいかないのか, なかなか母音「あいうえお」すら 波から合成できないでいる.手軽にBASICで母音の合成ぐらい…

こんなところに Cayley-Hamilton

4年ゼミの話題の一つが,細矢氏が提案するトポロジカルインデックスなんだが,トポロジカル・インデックス: フィボナッチ数からピタゴラスの三角形までをつなぐ新しい数学作者:細矢治夫日本評論社Amazonその中にちょっと「おやっ」となった計算があったので…

バランスをとる数(2)ー連分数という力学系

ミイラ取りがすっかりミイラになった感のある前回のエントリー. tokidoki.hatenablog.jp前回の結果はまとめると \begin{equation} 2\sum_{k=a}^x k=\sum_{k=a}^b k \end{equation} を満たす組は互いに素なによって,何れかが偶数なら \begin{equation} (a,b…

バランスをとる数(1)―入り口は1+2=3

いまや当大学における絶滅危惧レッドリストの筆頭に挙げられる数学同人Sigmaでのある一幕. https://aue-sigma.jimdo.com/ www.aichi-edu.ac.jp久しぶりに教育実習から返ってきたメンバーが「実習中にこんなこと見つけた」と鼻息荒く話していた話題なんだが…

今年もガッサガッサしてみた

この時期は毎年,担当講義である統計とコンピュータにてガッサガッサする実験をする. tokidoki.hatenablog.jp今年で3年目となるこの実験の元ネタは,啓林館のページにあった授業実践だった. www.shinko-keirin.co.jpただし,気をつけないと隣のクラスから…

私の身の回りのべき乗則(2)―名字編

今クールNHKが放映している名字番組 「人名探究バラエティー 日本人のおなまえっ!」ってのがある. www4.nhk.or.jp 帰宅がてら見るのにちょうど良い番組なのだけど, レア名字編ではハンコタワー1つ5000種の印鑑で人口の80%がカバーできるとか, 10万種の…

私の身の回りのべき乗則

それは気のせいなだけなのかもしれないが, 何だかパソコンの動作がモッサリしてきたなぁ, と思ったときにClean upした後デフラグをかけて, モッサリがなくすという作業を定期的にしている.で,そのとき分析結果として各ファイルの断片化数が報告されるわ…

数理音楽の風景(1)-不協和度曲線

2012年度卒業生から始めた当ゼミでの数理音楽なる分野, その風景を数回シリーズでまとめてみよう.準周期系の研究において連分数にまつわる力学系を扱うことが多かったことと, はるか以前から音楽の仕組みに数理的仕組みが見え隠れしていると感じていたの…

4独のCayley graphを描いてみた by Scratch

数独をテーマにしているゼミ生がいる. 当初は数独の難易度を測定する尺度を作れないか, などといったことを夢見ていたが, 当人がそもそも数独を趣味にしていないようなので そういった食指は動かなかったようだ.じゃぁ何する,ってことになって, そもそ…

Scratch で置換計算機

じゃ~ん. やっぱり今年もこういう季節だね. とはいえ,今年,そして来年度は会議やら会議やら,それから会議やらで 卒論にあまりかまってられない事態ではあるが. おかげで,今年は赤を入れるタイミングが大幅に遅れている. それでもそろそろ形になって…

免許更新講習と高大連携2016

この時期,毎年まとめてのお仕事,本日は免許更新,明日は高大連携.で,いずれも「位取り記数法」から出発する数々の話題. 素朴な数の四則演算の世界は一般の人だって参加しやすいので, この10年お気に入りでずっと活用している.で,それに利用するグッ…

オープンキャンパス2016-本番!

連日報告している,オープンキャンパス,その当日. tokidoki.hatenablog.jp tokidoki.hatenablog.jp数学の学生がやるのは初日の一番最初の時間. 開始15分前はまだ誰も来ず.果たしてお客さんは来るのだろうか?という心配を他所に,10分前に突然人があふれ…

オープンキャンパス2016―準備(リハーサル)

昨日に引き続き,オープンキャンパス準備.本日はリハーサル. tokidoki.hatenablog.jp何となくピザを要求する少女.(まぁ,言い出したのは僕だけど.) 新たに2年生有志が生徒役として参加してくれた.これはありがたい. さて,時刻をセットして,と. 「…

k倍完全数探し―その後とちょっとしたCollatz-likeな問題

前回はk倍完全数を探すのにちょっと使えそうな評価式を紹介した. tokidoki.hatenablog.jpで,その後の数学同人Sigmaにて,5倍完全数探しが続いた. 評価式によれば少なくとも13以上の素因数が必要となるので, 13を含んだ形でヒューリスティックに探してい…

k倍完全数探しのためのちょっとした評価

自然数Nに対しその約数の和をS(N)と表すとき,S(N)=kNとなるNをk倍完全数という. k=2のときがいわゆる完全数というやつだ.例えば 6×2=1+2+3+6,28×2=1+2+4+7+14+28.2倍完全数についてはオイラーによって偶数の完全数の形が分かっているのに対し, 奇数の2…