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Fibonacci-iccanobiF

久々のエントリーとなるが,瓢箪からコマというか,思いつきである講義(というか,ほとんど自分が教えることなくfacilitatorのような役割をしている)で紹介した現象について.

世間的にはおそらくよく知られた話なのだろうが,Fibonacci数列をmodulo Fibonacci数で見ると周期的になるという事実.
話を揃えよう.数列\{F_n\}

 \displaystyle F_1=F_2=1,F_{n+2}=F_{n+1}+F_n
で定義する.
で,これを \pmod{F_n}, n\ge 4で観察すると
 \displaystyle
n\text{ が奇数なら } 4n, n\text{ が偶数なら }2n
の周期をもつ数列に変わる.
例えば \pmod{F_4}=\pmod{3}なら
 \displaystyle
1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,233,377,610,987,\dots\\
\equiv 1,1,2,0,2,2,1,0,1,1,2,0,2,2,1,0,\dots\\
で,周期は 4\times2=8 \pmod{F_5}=\pmod{5}なら
 \displaystyle
1,1,2,3,0,3,3,1,4,0,4,4,3,2,0,2,2,4,1,0,1,1,2,\dots\\
で,周期は 5\times4=20 \pmod{F_6}=\pmod{8}なら
 \displaystyle
1,1,2,3,5,0,5,5,2,7,1,0,1,1,\dots\\
で,周期は 8\times2=12 \pmod{F_7}=\pmod{13}なら
 \displaystyle
1,1,2,3,5,8,0,8,8,3,11,1,12,0,12,12,11,10,8,5,0,5,5,10,2,12,1,0,1,1,\dots\\
で,周期は 7\times4=28といった具合だ.
これをもう少し続けたのが下の図.きれいに周期が出ている.
(因みに,学生はこれを見て「ファミマ」とか言っていた.)
f:id:okiraku894:20210725195825p:plain

さて,何が起こっているのだろう.紹介はしたものの,直感的に理解できていない.
学生らには,自由に研究活動をしてもらって何かを見つけてもらいたいが,自分は自分でこの現象の仕組みを理解したい.

数日折りに触れ考えていたところ,ようやくハッキリした.
例えば \pmod{F_7}=\pmod{13}の列


 \displaystyle
1,1,2,3,5,8,0,8,8,3,11,1,12,0,\\\qquad 12,12,11,10,8,5,0,5,5,10,2,12,1,0\\
 F_k\equiv F_k-13\pmod{13}を通して一つおきに書き換えると,

 \displaystyle
1,-12,2,-10,5,-5,0,-5,8,-10,11,-12,12,0,\\\qquad 12,-1,11,-3,8,-8,0,-8,5,-3,2,-1,1,0\\
といった列になるが,これは元の周期列を一つおきに負号を付けて逆に並べたものになる.
これはもともとの漸化式

 \displaystyle F_{n+2}=F_{n+1}+F_n

 \displaystyle F_{n}=F_{n+2}-F_{n+1}
と書き直して理解できそうだ.
また  \pmod{F_n} では  F_{n-2}+F_{n-1}=F_{n}\equiv 0,つまり  F_{n-2}\equiv -F_{n-1} と理解できるから,

 \begin{align}
&F_{n-3}=F_{n-1}-F_{n-2}\equiv 2F_{n-1}\\
&F_{n-4}=F_{n-2}-F_{n-3}\equiv -3F_{n-1}\\
&F_{n-5}=F_{n-3}-F_{n-4}\equiv 5F_{n-1}\\
&F_{n-6}=F_{n-4}-F_{n-5}\equiv -8F_{n-1}\\
&\vdots\\
&F_{n-k}=F_{n-k+2}-F_{n-k+1}\equiv (-1)^{k-1}F_kF_{n-1}\\
\end{align}

と遡っていくと,特に  k=n-1 では


1=F_1\equiv (-1)^{n}F_{n-1}^2
となるので,

F_{n-1}^2\equiv (-1)^n\pmod{F_n}

となる.特に  n が偶数なら  F_{n-1}^2\equiv1\pmod{F_n} だが,F_{n-1} F_n は互いに素で  F_{n-1} < F_n だから


 F_{n-1}\equiv -1\pmod{F_n}

となり,また


 F_{n+1}=F_{n}+F_{n-1}\equiv F_{n-1}\pmod{F_n}
 F_{n+2}=F_{n+1}+F_{n}\equiv F_{n-1}\pmod{F_n}

を考えると, k\ge 1 について帰納的に


 F_{n+k+2}=F_{n+k+1}+F_{n+k}\equiv F_{n-1}(F_{k+1}+F_{k})=F_{n-1}F_{k+2}\pmod{F_n}

が分かり,特に  k=n-3,n-2,n-1


 \begin{align}
F_{2n-1}&\equiv F_{n-1}^2\equiv 1,\\
F_{2n}&\equiv F_{n-1}F_n\equiv0,\\
F_{2n+1}&\equiv F_{2n-1}+F_{2n}\equiv 1\pmod{F_n}
\end{align}

となるから,次の周期が始まる.すなわち,\pmod{F_n} での周期は 2n と分かる.
一方, n が奇数なら  F_{n-1}^2\equiv-1\pmod{F_n} であり,したがって  F_{n-1}^4\equiv1\pmod{F_n} となるから,偶数の場合と同様な議論によって,\pmod{F_n} での周期は 4n と分かる.

注意したいのは,これは数論的な現象ではなく,漸化式で与えられる力学系の性質から導かれているということだ.
特に今回は漸化式の係数(の絶対値)の対称性


 \displaystyle 1\times F_{n+2}=F_{n+1}+1\times F_n

に助けられていると思っていい.あるいは同様な考察は例えば c を何らかの任意定数とした,


 \displaystyle F_{n+1}+F_{n-1}=cF_{n}

といった力学系のほうがよりエレガントな結果が出るようにも思える.
こうなると,いよいよ離散版のLaplacianに見えてくるが,何か物理的な意味があるかな...

ともあれ今年度も終わった

終わったよ,本年度の卒業論文審査会.
気付いたら,プレゼンのタイトル画面がこんなことになっていた.
あれれ,センスが良くなっている!
f:id:okiraku894:20200213233709p:plain

で,肝心の内容なんだが,昨年度の13代が優秀すぎて,ほとんど手がかからなかったのに対し,本年度14代では小人さんがほとんど出突っ張り.
これだけ出動したのはちょっと過去にはない.そして,もうこんなことはしない.
しなくて良いようにゼミ生を動かしていかねばね.

まぁしかし,プレゼンでは教育学部生らしく頑張った.
どうやらプレゼン練習の初期段階ではつべこべ言わず見守る(あるいは敢えて全く見ない)ほうが良いようだ.仲間内であれこれやる中で知恵をつけるらしい.


どういうわけか,一人トイレに行っているスキに撮影→
長年,ゼミに使っていたこのお気に入りの部屋も,改修工事で使えなくなる.1年後は自分の研究室でゼミができるかな(何しろ部屋面積が現在の2倍!)


そうそう,個人的趣味でもある「数理音楽」では,いくらか収穫があった.
やはり議論するとネタがいくつも芽生えてくる.
次年度,これらをまとめるともう一歩突っ込んで「調性音楽の組合せ論的特徴」が抽出できると思われる.

それはそうと,卒業論文のみのことではないのだが,この数年ますます学生たちの文章が拙くなってきているように思われてならない.
ついには自分の研究の総括であるイントロですら辿々しく,あるいは全く書けないという有様.
(といっても,今回は赤入れ添削作業をすっ飛ばしたので,それが教育的にはまずかったと反省している.でも,もうそんな元気が出なかったんだ.)
もう,AO入試とか学校推薦とか妙な入試枠なんか作ってないで,入試は国語一本で良いんじゃないかな.
母国語ができないなら,どんな学問もやれないのだから.
「アクティブラーニング」とか「主体的・対話的で深い学び」とか言う前に,まず「読み書き」きちんとしようよ.
もはや「教科書が読めない」のは,教員自身なのかもしれないよ.

【2019年ビジネス書大賞 大賞】AI vs. 教科書が読めない子どもたち

【2019年ビジネス書大賞 大賞】AI vs. 教科書が読めない子どもたち

  • 作者:新井 紀子
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2018/02/02
  • メディア: 単行本

連分数likeなエジプト分数分解

大学院向け某夜間授業で出された話題で,\dfrac{1}{n}をエジプト分数に分解するアルゴリズムの紹介がされた.
すぐに互いに素なm,nに対する\dfrac{m}{n}では如何?となるわけだが,連分数likeな展開方法を幾何学的意味と共に考えたので備忘録.
そういえば,連分数展開の力学系的意味を2年近く前のエントリーで書いていたっけ.
tokidoki.hatenablog.jp

互いに素な自然数a>bについて\dfrac{b}{a}を分子が1の単位分数の和に分解するときに,Greedy Algorithmを使う.
つまり,\dfrac{b}{a}を超えない,できるだけ分母の小さな単位分数\dfrac{1}{n}を探すと,それは
\begin{equation}
\frac{1}{n}<\frac{b}{a}<\frac{1}{n-1}
\end{equation}となるものだから, b(n-1) < a < bn である.すると  bn-a < b であり,また,
\begin{equation}
\frac{b}{a}-\frac{1}{n}=\frac{bn-a}{an} < \frac{b}{an}
\end{equation}と分子がもとより小さくなった分数 \dfrac{b_1}{a_1}=\dfrac{bn-a}{an} が得られる.以下同様な操作を続けると
\begin{equation}
n_{k+1}=\left\lceil\frac{a_k}{b_k}\right\rceil,\quad a_{k+1}=a_kn_{k+1},\quad b_{k+1}=b_kn_{k+1}-a_k,
\end{equation}あるいは,連分数エントリーの真似をすると
\begin{equation}
n_{k+1}=\left\lceil\frac{a_k}{b_k}\right\rceil,\quad \begin{pmatrix} a_{k+1} \\ b_{k+1} \end{pmatrix}=\begin{pmatrix}n_{k+1} & 0\\ -1 & n_{k+1}\end{pmatrix}\begin{pmatrix}a_k\\ b_k\end{pmatrix}
\end{equation}といった表示ができる.そして  b_1 > b_2 > \cdots > b_k となっていくので,やがて  b_k=1 となり,このアルゴリズムは止まる.もちろん, a_k,b_k が互いに素である関係は変わらない.

単位分数  \dfrac{1}{n} を求めて差を取ることは,幾何学的には \dfrac{b}{a}=\tan\theta_0 から \dfrac{b_1}{a_1}=\dfrac{bn-a}{an}=\tan\theta_1 を求める作業であり,下図でいけば黄色の三角形の傾きから赤い三角形の傾きを求めていることになる.

もちろん,この手順は無理数に対しても行えるわけで,それが楽しいかどうか分からないが,たとえば
\begin{equation}
\pi=3+\frac{1}{8}+\frac{1}{61}+\frac{1}{5020}+\cdots
\end{equation}
だとか
\begin{equation}
\sqrt{2}=1+\frac{1}{3}+\frac{1}{13}+\frac{1}{253}+\cdots
\end{equation}
とか現れる.う~ん,いまのところ楽しくないなぁ...

算数事始め(2)

シリーズにするつもりはなかったんだけど,また虱潰しに調べてみたので,報告.
tokidoki.hatenablog.jp

算数科研究ネタ探しを続けているが,調べるとこんな算数活動もあるらしい.

 □□+□□=□□
1,2,3,4,5,7全てを□に当てはめて,正しい式にしましょう.
(小学2年生向け)

ちょっと考えると例えば
 12+35=47
なんて出るわけだが,こういった繰り上がりのないパターンは桁の入れ替えが自由にできるので

\begin{gather*}
 12+35=47, 15+32=47, 32+15=47, 35+12=47,\\
 21+53=74, 23+51=74, 51+23=74, 53+21=74
\end{gather*}

2^3パターンが生まれる.そしてこれ以外には無さそうだ.

さて,こうなると他の6つの数で試すとどうなるか,が気になってくる(でしょ?).
探すと繰り上がりが有るパターンもある.例えば 1,2,3,4,5,8に変えると,

\begin{gather*}
14+38=52, 18+34=52, 34+18=52, 38+14=52,\\
15+28=43, 18+25=43, 25+18=43, 28+15=43
\end{gather*}

という具合で,今度は単なる入れ替えでない.というのも1の位での繰り上がりは許されるが,それをこのゲームのルール上10の位に持ってくるわけに行かないからだ.それでもそれを補完するように別の組み合わせで合計8パターンとなる.
ところが同じ繰り上がりが発生していても補完パターンが無いものも有る.例えば1,2,3,4,6,9だ.

\begin{gather*}
13+49=62,19+43=62,43+19=62,49+13=62
\end{gather*}

その一方で,12パターンある組み合わせもある.1,2,4,5,7,8を選ぶと,

\begin{gather*}
17+28=45, 18+27=45, 27+18=45, 28+17=45,\\
14+58=72, 18+54=72, 54+18=72, 58+14=72,\\
24+57=81, 27+54=81, 54+27=81, 57+24=81
\end{gather*}

となる.ところが,反対に全く何も作れない組み合わせもある.それが結構ある.
たとえば,1,2,3,4,5,6や1,2,3,5,6,8などなど.

さて,これをチマチマ探したのかというと,ご想像の通り,また10進BASICで先回りして調べた.
結果一覧が以下.要するに1から9の中から3つを選ばないので全部で{}_9C_3=84通りの数の組み合わせを全部調べれば良い.
先頭の(123456)などが使用する6つの数,その後は実際の解.

【パターン数=0 】つまり解が無いもの.28個.
\begin{align*}
&(456789),(356789),(345789),(345679),(345678),(246789),(245789),(245678),\\
&(234789),(234689),(234679),(234579),(234567),(156789),(135689),(134679),\\
&(134678),(134589),(134578),(126789),(125689),(124589),(123789),(123679),\\
&(123678),(123569),(123568),(123456).
\end{align*}

【パターン数=4】14個.
\begin{gather*}
(346789):37+49=86, 39+47=86, 47+39=86, 49+37=86,\\
(245679):26+49=75, 29+46=75, 46+29=75, 49+26=75,\\
(236789):28+39=67, 29+38=67, 38+29=67, 39+28=67,\\
(235689):25+68=93, 28+65=93, 65+28=93, 68+25=93,\\
(234569):25+39=64, 29+35=64, 35+29=64, 39+25=64,\\
(145689):15+69=84, 19+65=84, 65+19=84, 69+15=84,\\
(135679):17+39=56, 19+37=56, 37+19=56, 39+17=56,\\
(134689):14+69=83, 19+64=83, 64+19=83, 69+14=83,\\
(125678):15+67=82, 17+65=82, 65+17=82, 67+15=82,\\
(124569):16+29=45, 19+26=45, 26+19=45, 29+16=45,\\
(123579):13+59=72, 19+53=72, 53+19=72, 59+13=72,\\
(123489):32+49=81, 39+42=81, 42+39=81, 49+32=81,\\
(123478):23+48=71, 28+43=71, 43+28=71, 48+23=71,\\
(123469):13+49=62, 19+43=62, 43+19=62, 49+13=62.
\end{gather*}

【パターン数=8】40個.
\begin{align*}
(345689):&36+49=85, 36+58=94, 38+56=94, 39+46=85, \\
&46+39=85, 49+36=85, 56+38=94, 58+36=94,\\
(256789):&27+59=86, 27+68=95, 28+67=95, 29+57=86, \\
&57+29=86, 59+27=86, 67+28=95, 68+27=95,\\
(245689):&24+65=89, 25+64=89, 42+56=98, 46+52=98, \\
&52+46=98, 56+42=98, 64+25=89, 65+24=89,\\
(235789):&23+75=98, 25+73=98, 32+57=89, 37+52=89, \\
&52+37=89, 57+32=89, 73+25=98, 75+23=98,\\
(235679):&23+56=79, 26+53=79, 32+65=97, 35+62=97, \\
&53+26=79, 56+23=79, 62+35=97, 65+32=97,\\
(235678):&26+57=83, 27+38=65, 27+56=83, 28+37=65, \\
&37+28=65, 38+27=65, 56+27=83, 57+26=83,\\
(234678):&23+64=87, 24+63=87, 32+46=78, 36+42=78, \\
&42+36=78, 46+32=78, 63+24=87, 64+23=87,\\
(234589):&24+59=83, 29+54=83, 34+58=92, 38+54=92, \\
&54+29=83, 54+38=92, 58+34=92, 59+24=83,\\
(234578):&25+48=73, 28+45=73, 35+47=82, 37+45=82,\\
&45+28=73, 45+37=82, 47+35=82, 48+25=73,\\
(234568):&23+45=68, 25+43=68, 32+54=86, 34+52=86,\\
&43+25=68, 45+23=68, 52+34=86, 54+32=86,\\
(146789):&16+78=94, 18+49=67, 18+76=94, 19+48=67, \\
&48+19=67, 49+18=67, 76+18=94, 78+16=94,\\
(145789):&14+75=89, 15+74=89, 41+57=98, 47+51=98, \\
&51+47=98, 57+41=98, 74+15=89, 75+14=89,\\
(145679):&14+65=79, 15+64=79, 41+56=97, 46+51=97, \\
&51+46=97, 56+41=97, 64+15=79, 65+14=79,\\
(145678):&16+58=74, 17+48=65, 18+47=65, 18+56=74, \\
&47+18=65, 48+17=65, 56+18=74, 58+16=74,\\
(136789):&13+76=89, 16+73=89, 31+67=98, 37+61=98, \\
&61+37=98, 67+31=98, 73+16=89, 76+13=89,\\
(135789):&15+78=93, 18+39=57, 18+75=93, 19+38=57,\\
&38+19=57, 39+18=57, 75+18=93, 78+15=93,\\
(135678):&13+65=78, 15+63=78, 31+56=87, 36+51=87, \\
&51+36=87, 56+31=87, 63+15=78, 65+13=78,\\
(134789):&13+84=97, 14+83=97, 31+48=79, 38+41=79, \\
&41+38=79, 48+31=79, 83+14=97, 84+13=97,\\
(134579):&14+59=73, 19+54=73, 34+57=91, 37+54=91,\\
&54+19=73, 54+37=91, 57+34=91, 59+14=73,\\
(134569):&13+46=59, 16+43=59, 31+64=95, 34+61=95, \\
&43+16=59, 46+13=59, 61+34=95, 64+31=95,\\
(134567):&13+54=67, 14+53=67, 31+45=76, 35+41=76, \\
&41+35=76, 45+31=76, 53+14=67, 54+13=67,\\
(125789):&12+85=97, 15+82=97, 21+58=79, 28+51=79, \\
&51+28=79, 58+21=79, 82+15=97, 85+12=97,\\
(125679):&12+57=69, 17+52=69, 21+75=96, 25+71=96, \\
&52+17=69, 57+12=69, 71+25=96, 75+21=96,\\
(124789):&14+78=92, 18+29=47, 18+74=92, 19+28=47, \\
&28+19=47, 29+18=47, 74+18=92, 78+14=92,\\
(124689):&12+84=96, 14+82=96, 21+48=69, 28+41=69, \\
&41+28=69, 48+21=69, 82+14=96, 84+12=96,\\
(124679):&17+29=46, 19+27=46, 24+67=91, 27+19=46, \\
&27+64=91, 29+17=46, 64+27=91, 67+24=91,\\
(124678):&12+74=86, 14+72=86, 21+47=68, 27+41=68,\\
&41+27=68, 47+21=68, 72+14=86, 74+12=86,\\
(124579):&12+47=59, 17+42=59, 21+74=95, 24+71=95, \\
&42+17=59, 47+12=59, 71+24=95, 74+21=95,\\
(124568):&12+46=58, 16+42=58, 21+64=85, 24+61=85, \\
&42+16=58, 46+12=58, 61+24=85, 64+21=85,\\
(124567):&15+47=62, 17+45=62, 25+46=71, 26+45=71, \\
&45+17=62, 45+26=71, 46+25=71, 47+15=62,\\
(123689):&13+69=82, 19+63=82, 23+68=91, 28+63=91,\\
&63+19=82, 63+28=91, 68+23=91, 69+13=82,\\
(123589):&12+83=95, 13+82=95, 21+38=59, 28+31=59, \\
&31+28=59, 38+21=59, 82+13=95, 83+12=95,\\
(123578):&12+73=85, 13+72=85, 21+37=58, 27+31=58,\\
&31+27=58, 37+21=58, 72+13=85, 73+12=85,\\
(123567):&12+63=75, 13+62=75, 21+36=57, 26+31=57, \\
&31+26=57, 36+21=57, 62+13=75, 63+12=75,\\
(123479):&12+37=49, 17+32=49, 21+73=94, 23+71=94, \\
&32+17=49, 37+12=49, 71+23=94, 73+21=94,\\
(123468):&12+36=48, 16+32=48, 21+63=84, 23+61=84, \\
&32+16=48, 36+12=48, 61+23=84, 63+21=84,\\
(123467):&16+27=43, 17+26=43, 24+37=61, 26+17=43, \\
&27+16=43, 27+34=61, 34+27=61, 37+24=61,\\
(123459):&14+25=39, 15+24=39, 24+15=39, 25+14=39, \\
&41+52=93, 42+51=93, 51+42=93, 52+41=93,\\
(123458):&14+38=52, 15+28=43, 18+25=43, 18+34=52, \\
&25+18=43, 28+15=43, 34+18=52, 38+14=52,\\
(123457):&12+35=47, 15+32=47, 21+53=74, 23+51=74,\\
 &32+15=47, 35+12=47, 51+23=74, 53+21=74.
\end{align*}

【パターン数=12】2個.
\begin{align*}
(134568):&15+48=63, 16+38=54, 18+36=54, 18+45=63,\\
&35+46=81, 36+18=54, 36+45=81, 38+16=54,\\
&45+18=63, 45+36=81, 46+35=81, 48+15=63,\\
(124578):&14+58=72, 17+28=45, 18+27=45, 18+54=72,\\
&24+57=81, 27+18=45, 27+54=81, 28+17=45,\\
&54+18=72, 54+27=81, 57+24=81, 58+14=72.
\end{align*}

まぁ,まずはとにかくやってみることだ.

おっと,また整理されてないBASICソースを.

REM
REM [算数科研究ネタ]
REM 「6つの数で二桁足し算□□+□□=□□を作る」
REM Ver. 2019/01/04
REM

LET nums$="123456789"
FOR p=1 TO 9
   LET X$=nums$
   LET X$(p:p)=""
   FOR q=1 TO 8
      LET X0$=X$
      LET X0$(q:q)=""
      FOR r=1 TO 7
         LET X1$=X0$
         LET X1$(r:r)=""
         PRINT "For [";X1$;"]"
         LET LL=LEN(X1$)
         FOR i=1 TO LL
            LET D2$=X1$(i:i)
            LET X2$=X1$
            LET X2$(i:i)=""
            FOR j=1 TO LL-1
               LET D1$=X2$(j:j)
               LET X3$=X2$
               LET X3$(j:j)=""
               LET a=VAL(D2$&D1$)
               FOR k=1 TO LL-2
                  LET D4$=X3$(k:k)
                  LET X4$=X3$
                  LET X4$(k:k)=""
                  FOR l=1 TO LL-3
                     LET D3$=X4$(l:l)
                     LET X5$=X4$
                     LET X5$(l:l)=""
                     LET b=VAL(D4$&D3$)
                     IF a+b=VAL(X5$) THEN
                        PRINT USING"##+##=##":a,b,VAL(X5$)
                     ELSE
                        LET X5$=X5$(2:2)&X5$(1:1)
                        IF a+b=VAL(X5$) THEN
                           PRINT USING"##+##=##":a,b,VAL(X5$)
                        END if
                     END if
                  NEXT l
               NEXT k
            NEXT j
         NEXT i
         PRINT "-----------------------"
      NEXT r
   NEXT q
NEXT p
END

本当はすごい小学算数

本当はすごい小学算数

算数事始め

年末からどうも体の具合がおかしく,卒論の手直しが思うように進まない.
背中がゾクゾクするし風邪かと思うのだが,どうも花粉症的な症状に近い.
そういえばこのところ毎年正月前後に体の調子が悪くなる.
ようやく一息つけると,気持ちが油断するのかもしれない.

おまけに今年に限っては算数科研究ネタを急ピッチで作り上げねばならず,結構ピンチ.
で,年末に手に入れたネタ本が結構使えそう.
名門中学の算数入試問題をもとに数学とはなんぞや,を説いてくれる本だ.

本当はすごい小学算数

本当はすごい小学算数

何しろトビラの問題からして使えそうだったんで早速Amazonでポチった.

その第一章はとにかくやってみなはれ,という内容.
第1章「考える力」よりも大事な「やってみる力」
うん,もうこの15年ほど手の動かない学生を見ていていつも思うことだ.
つべこべ言わず,まずあれこれやってみなはれ,だ.
ついでにいうと,数学なんて本当は最初から授業やテキストで学ぶものなんかじゃない,あれこれやってみての「どうして」がそもそも無いと,お経を唱えるのとさして変わらない,と思う.

で,何はともあれ算数科研究ネタ作成に脅されながら,初めの問題をみる.

1□2□3□4□5=2□3□4□5□6
の□には×か+が入ります.
この式が正しくなるような×と+の入れ方を2通り見つけなさい.
(2008年 麻布中学入試)

さて,こういう問題,下手に数学慣れしていると何か一般法則を見つけようとしてかえって手が動かなくなるかもしれない.
けれど,これは小学生の問題,とにかくあれこれやって探せ,という単純な問題と思ったほうが早く答えが見るかる.

いや,学生にやらせる前にまず自分で探さなきゃ,なのだけど,もう頭がぐぁんぐぁん,背中もゾクゾクの状態なので,一つ答えを見つけたところで10進BASICに解かせることにした.
ズルい,の極みである.
もちろんついでなので問題を

連続する1,2,...,nと2,3,...,n+1の間に×か+を入れて成り立つ等式を探す.

にして,ただし,n<9,つまり一桁の数で収まるように限定して作ることにした.

まず
1□2=2□3と1□2□3=2□3□4
には解がなかった.

1□2□3□4=2□3□4□5
の解は
\begin{align*}
5&=1+2+3\times4=2\times3+4+5\\
14&=1\times2+3\times4=2+3+4+5\\
25&=1+2\times3\times4=2+3+4\times5
\end{align*}
の3つ.

1□2□3□4□5=2□3□4□5□6
の解は
\begin{align*}
20&=1+2+3\times4+5=2+3+4+5+6\\
25&=1\times2+3+4\times5=2+3\times4+5+6
\end{align*}
の2つ.

1□2□3□4□5□6=2□3□4□5□6□7
の解は
\begin{align*}
32&=1+2+3+4\times5+6=2+3\times4+5+6+7\\
32&=1\times2\times3+4\times5+6=2+3\times4+5+6+7\\
68&=1\times2+3\times4\times5+6=2\times3+4\times5+6\times7\\
39&=1\times2+3+4+5\times6=2\times3+4\times5+6+7
\end{align*}
の4つ.

1□2□3□4□5□6□7=2□3□4□5□6□7□8
の解は
\begin{align*}
40&=1+2\times3+4\times5+6+7=2+3\times4+5+6+7+8\\
76&=1+2+3\times4\times5+6+7=2\times3+4\times5+6\times7+8\\
76&=1+2+3\times4\times5+6+7=2+3+4+5+6+7\times8\\
75&=1\times2+3\times4\times5+6+7=2+3+4\times5+6\times7+8\\
47&=1+2+3+4+5\times6+7=2\times3+4\times5+6+7+8\\
46&=1\times2+3+4+5\times6+7=2+3+4\times5+6+7+8\\
47&=1\times2\times3+4+5\times6+7=2\times3+4\times5+6+7+8\\
69&=1+2\times3+4\times5+6\times7=2\times3\times4+5\times6+7+8\\
69&=1+2\times3+4\times5+6\times7=2+3\times4+5+6\times7+8
\end{align*}
の9つ.

そして
1□2□3□4□5□6□7□8=2□3□4□5□6□7□8□9
の解は19個らしい.
\begin{align*}
84&=1+2+3\times4\times5+6+7+8=2+3+4\times5+6\times7+8+9\\
55&=1+2+3+4+5\times6+7+8=2+3+4\times5+6+7+8+9\\
56&=1+2\times3+4+5\times6+7+8=2\times3+4\times5+6+7+8+9\\
55&=1\times2\times3+4+5\times6+7+8=2+3+4\times5+6+7+8+9\\
59&=1\times2+3\times4+5\times6+7+8=2\times3\times4+5+6+7+8+9\\
140&=1\times2+3+4\times5\times6+7+8=2\times3+4\times5+6\times7+8\times9\\
64&=1\times2+3+4+5+6\times7+8=2\times3+4+5\times6+7+8+9\\
78&=1+2\times3+4+5+6+7\times8=2\times3\times4+5\times6+7+8+9\\
78&=1+2\times3+4+5+6+7\times8=2+3\times4+5+6\times7+8+9\\
92&=1+2\times3\times4+5+6+7\times8=2+3\times4\times5+6+7+8+9\\
88&=1+2+3+4\times5+6+7\times8=2\times3\times4+5+6\times7+8+9\\
88&=1\times2\times3+4\times5+6+7\times8=2\times3\times4+5+6\times7+8+9\\
96&=1+2+3+4+5\times6+7\times8=2+3+4\times5+6+7\times8+9\\
97&=1+2\times3+4+5\times6+7\times8=2\times3+4\times5+6+7\times8+9\\
96&=1\times2\times3+4+5\times6+7\times8=2+3+4\times5+6+7\times8+9\\
100&=1\times2+3\times4+5\times6+7\times8=2\times3\times4+5+6+7\times8+9\\
100&=1\times2+3\times4+5\times6+7\times8=2\times3+4+5+6+7+8\times9\\
111&=1+2\times3\times4+5\times6+7\times8=2\times3+4\times5+6+7+8\times9\\
110&=1\times2\times3\times4+5\times6+7\times8=2+3+4\times5+6+7+8\times9
\end{align*}

最後に10進BAISCのソース.
行き当たりばったりで作ったので汎用性ゼロ.
そしてこういうのを作ってるときは頭が痛くない.

LET lim=5
INPUT  PROMPT "いくつの数で?(1,2,...,nと2,3,...,n+1)":lim

FOR k=0 TO 2^(lim-1)-1
   LET aa$="1"
   FOR i=0 TO lim-2
      IF bitand(k,2^i)<>0 THEN
         LET aa$=aa$&"*"&STR$(i+2)
      ELSE
         LET aa$=aa$&"+"&STR$(i+2)
      END IF
   NEXT i
   FOR l=0 TO 2^(lim-1)-1
      LET bb$="2"
      FOR i=0 TO lim-2
         IF bitand(l,2^i)<>0 THEN
            LET bb$=bb$&"*"&STR$(i+3)
         ELSE
            LET bb$=bb$&"+"&STR$(i+3)
         END IF
      NEXT i
      LET aa=calc(aa$)
      LET bb=calc(bb$)
      IF aa=bb THEN PRINT STR$(aa)&"="&aa$&"="&bb$
   NEXT l
NEXT k
FUNCTION calc(x$)
   DIM p$(1 TO 10)
   FOR i=1 TO 10
      LET p$(i)=""
   NEXT i
   LET pp=1
   LET i=2
   LET j=1
   DO
      IF X$(i:i)="+" THEN
         LET p$(pp)=X$(j:i-1)
         LET pp=pp+1
         LET j=i+1
      END IF
      LET i=i+1
   LOOP UNTIL i>LEN(X$)
   LET p$(pp)=X$(j:i-1)
   LET pp=1
   LET ans=0
   DO UNTIL P$(pp)=""
      LET Y$=P$(pp)
      LET Z=1
      DO
         LET z=z*VAL(Y$(1:1))
         LET Y$(1:2)=""
      LOOP UNTIL Y$=""
      LET ans=ans+z
      LET pp=pp+1
   LOOP 
   LET calc = ans
END FUNCTION
END