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 ランダム シード*1の罠

EXCELを使った講義「統計とコンピュータ」を例年になく精力的に行っているところだが、
今日は講義中、面白い過ちをしてしまったので報告。

正規分布に従う確率変数の和が再び正規分布に従うことを
分析ツールによる正規乱数で実験する講義内容だったが、
(具体的にはXがN(63,62)に従い、YがN(51,82)に従う時の
和W=X+Yの振る舞いの実験)
乱数生成の際、午前の講義では「ランダムシード」は空欄のまま実験し、
午後は何か勝手な数字を一つ入れて(そして固定して!)実験してしまった。
その結果午後の講義では、W=X+YはN(114,102)に従うのだよ、
標準偏差の和ではないのだよ、と講義した矢先に、
N(114,142)に従っているヒストグラムを見せる羽目になってしまった。
和の分布の分散はもとの2つの分散の和だと言いたいのに、
出来上がったヒストグラムが従うのは(標準偏差の和)2..._| ̄|○

分かっていたのにやってしまったことが恥ずかしいわけだが、
EXCELに限らず乱数の種を定めればそれを初期値に乱数を生成する。
だから、何度乱数を発生しなおしても種が固定されていれば
全く同じ乱数列が生成される。
そこでもし、種を固定したまま上記のXとYを生成すれば、
同じ標準正規乱数の列Rをもとにして

  • X=σ1R+μ1
  • Y=σ2R+μ2

と作られることになり、結果として

  • W=(σ12)R+μ12

が得られる。つまり独立な乱数の和ではない。


こうして標準偏差が(σ12)である正規乱数を
披露してしまったわけだ。