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卒論、とにかく終わる。

おしごと ゼミ

何だかんだと言いながら、ようやく締め切り1日前に全員提出。
こんなに遅かったのは今年が始めてだ。
だが卒論という機会を通して、
学生をどのように数学に向かわせたいか、
何かしら確立できたような気がする指導の日々だったように思う。


ま、何はともあれ、ここに今年のゼミ生の卒論タイトルを晒そう。
できた順にとりあえず。

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ポケモンに現れるモンスターの名前を辞書にして
一番長いしりとりを作るという話。
本人がネットで見つけた論文をもとに始まった。
ここの学生に整数計画法をやらせると、
普通はプログラミング無しでやる羽目になるからどこまでいけるかと思ったが、
幸い彼はプログラミングに強かった。
完全ユニモジュラー行列周辺で随分てこずったが、
よく細かい議論についてきたと思う。
しかし、タイトルに♪とかありえないし。

何か社会現象の数理モデルをやりたい、
というその取っ掛かりだけではじめた話。
しかしモデルの出所は数理生物学。
昆虫のオスがメスを探して交尾する戦略についての研究が元だ。
時間遅れのある微分方程式を初めて扱うし、
何しろ数理生物学独特の考え方に慣れるのに時間がかかった。
本人、当初は相当苦労したようだが、自分なりのモデルができてからは、
自信を持った追究活動になっていったようだ。

ビリヤードの玉を落とす順番の戦略を議論したもの。
本人、教採の合間もちょくちょく来てはちょっとずつ追究を続けた。
なかなか問題の焦点が定まらず、結構もつれこんだ。
より実戦的なものを目指し、ビリヤード玉を質点とせず、
体積のあるものとして計算を続けたところに一番の特徴がある。
要領のいい計算・思考方法をもっと身につけてもらえればと思う。
しかし本人の名前を冠した戦略を提案し、ある程度満足できたのではなかろうか。

わがゼミとしては珍しく、えらくかった〜いタイトル。
夏からコンスタントに計算を進めた。
しかし何より保険数理独特の記号に慣れるのに時間がかかる。
(あれ、何とかならないものだろうか?)
聞いてるこちらは保険の種類もすぐ忘れてしまうし。
数式を前にやや傍観してしまうところがあるので、
もっと大胆に手を動かし計算をして対象へ迫れるとよかった。
しかし、ほとんど添削せずに文章が論理的に書けていたのは助かった。

人口が様々に分布しているところへ
コンビニや郵便局などをどう配置すると便利なのか、という
問題自体はとてもはっきりした話。
しかし、いざ計算を始めてみるともう、困難の山!
コンピュータによる数値計算を一切使わずに
こういった最小値問題を解くことが如何に難儀なことか身に沁みた。
19世紀の数学をフル活用。結果私自身いい勉強になった。
本人、泥臭い計算をよく延々とやったものだ。

このすっとぼけたタイトルからは想像つかないだろうが、
今回のゼミでのヒット作
前半は集団の合意形成を力学系の言葉で記述したもの。
こちらはまぁ順当な内容で、当初はこちらをメインにしようとしていたが、
1月になって後半のコンフリクト解析において
本人がとても面白い概念を見つけ始めたのだ。
もともと本人は(今ではすっかり研究されなくなった)メタゲーム理論を目指していたのだが、
コンフリクト解析で再びそれに類する研究に至ったわけだ。
で、紛争の新しい均衡解を提唱し、均衡解の周期性まで見出した。
彼とともに概念を生み出し定式化していく過程は、久しぶりにワクワクした。

で、別の意味で「やってくれた」感が残ったのがこれ。
ランチェスターの法則微分方程式モデルで導出し、
関ヶ原の合戦の分析に適用した話。
でも、何しろ本人が
卒論の最も重要な時期1ヵ月現れなかったことが最後まで響き、
志半ばで終わってしまった。
もっと展開できる話だっただけに、勿体無かった。
次年度以降、誰か続きをやらないか?

物を売る際、品物を仕入れて保管しておく必要があるのだが、
あまり大量に仕入れておいても保管費がかかるが、
一方少量だと売り切れて損する機会が増える。
で、どの程度どんなタイミングで仕入れておけば
一番コストがかからず、売り切れリスクも避けられるのか、という
ロジスティックの一分野の話。
こちらものんびりやりすぎて、提出直前まで悪戦苦闘した。
何しろ、女性特有の思考方法と「言語」で書かれた非論理的な文章の添削に
こちらが文字通り苦闘した。
まぁ、最後は何とか形になったのだが。

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というわけで、全員提出。
昨晩はワインを飲みながら久しぶりの開放感を味わった。
ま、みんなお疲れ。
あとは発表を頑張ってくれたまえ。