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数学と音楽と教育と遊び

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第7番を聴きながら

少しでも時間のあるときに,と「統計とコンピュータ」の資料作り.
前年「残念だった」と感じた部分を見直し,今年の視点で改訂する.
どうしたらもっと「意味」をつかんでもらえるか.
どう提示したら体感的に具体的にその数学的対象を経験してもらえるか.
毎度あれこれアイディアを盛り込みながら,ちょっとずつ進んできた授業.
非常勤時代からなので,もう10年ぐらいやっている作業だ.

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この頃よくBeethovenのSymphonyを聴く.
とくに昼過ぎの疲れてきた頃.
以前はすすんで聴こうとは思わなかった.
近現代の色彩豊かで繊細で技巧的な音楽に比べ
単純で素朴すぎると感じていたからだ.
だが,この頃は繰り返し聴く.


人間の可能性や希望や夢,人生の苦悩と歓喜を
臆面無く高らかに歌い上げることのできた時代だったからか,
その単純な調和が大地深く根付いた大木のようで,
そよ風ですらバタついてしまう自分の心を押し留め,
今いる位置の確認と素朴な安心,そして力を与えてくれる.
あるいは楽曲構成の「お約束」が単純にそう錯覚させるのだろうか.

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この講義に「お約束」はない.
昨年のネタをお約束通りやっても絶対上手くいかない.
学生は水物.つねに揺蕩う.
おまけに一年経つごとにこちらの意識も変遷し,一年前に籠めた思いが再現できない.
実験やシミュレーションに溺れ過ぎても,理論に偏りすぎても本質を取り逃がす.
それで毎年,反省する.バランスが何とも難しい.
シミュレーションなど大嫌い,などと嘯く輩には,到底.
如何に具体的に統計現象を体感させられたか,
それがこの講義の存在意義だからだ.