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数学と音楽と教育と遊び

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もう一度音律を見直してみようと思った

音楽と数学についての卒論ネタが滞ってきたこともあって,
この頃は寝ても覚めても音楽,特に音律について考えている.
つまったら基本に戻るという大原則のもと,
ピタゴラス音階純正律の成り立ちをグラフにしてみた.
ま,なぜ七音階なのか,という問題はとりあえず後回しにして,
倍音あるいは周波数が単純な整数比となることを目指して作られた様子を
直感的に見てみたかった.
周波数2倍が1オクターブで,人の耳はそれを同じ種類の音と捉える,
という人類共通の性質を基にするなら,
周波数比はすべて底を2とした対数で捉えればいい.
そこで,ピタゴラス音律は {m×log23}({ }は小数部分)をm=-1,0,...,6 で,
純正律は {m×log23+n×log25} をm=-1,0,1,2,n=0,1として並べてみる.
(↓クリックで拡大)




横軸が mを表し,縦軸が対応する小数部分.
系列 P5は {m×log23} の軌道.P5,3 はこの軌道の m=3 のときを表す.
一方,系列 M3は {m×log23+log25} の軌道.M3,1 はこの軌道の m=1 のときを表す.
なるほど,純正律のほうが0軸からあまり離れないように作ったようにも見える.
だから単純な整数比を維持できている.純正律なら C:E:G=4:5:6 と収まるが,
ピタゴラスになると C:E の時点で 3^4=81 なんて出てきてしまう.


ついでに平均律からのずれも見てみよう.




ピタゴラスが,どんどん平均律に比べ上がっていくのに対し,
純正律は E,A,B で減らすように並んでいる.
生成元 log25 がその作用の元となっている.
もちろん F,G で平均律が良い近似をもたらしている訳は,
log23 の連分数近似 19/12 による.
音律が完全5度あるいは完全4度の発見から育っていったとするのなら,
テトラコード C,F,G,C をまず大事にしたはずだ.
そして世界中の古代の音律には確かに,このコードが入っている.
そして,12音音階の由来も,あるいはこの連分数近似を
感覚的に人類が掴み取ってきた証,ととることもできよう.
だが,西洋音楽はなぜ7音音階に成長したのか?
それがこのひと月ほど,ずっと頭の中でぐるぐる回ったままだ.


おっと,それから.
純正律は西洋和声,特に CEG などの三度の積み上げ和声を大切にした結果できた,
つまり縦方向の音楽を重視したということだが,
これがもう一つの音楽の方向,旋律と実に仲が悪い.
というのも,log23 と log25 の
二つの代数的に独立な生成元で音階を作ってしまったからだ.
しかし,これ以上書くと卒論で書くことがなくなるからやめとこ.


さて,当人,頑張ってるかなぁ...