ゼミの時間中に「一つだけ願いがかなうとしたら」ってな話になって,
そのとき気になっていた「空間駆動型エンジン」が欲しい,
なんて言ったら,このオッサン何ゆうてるの?的な顔された.
まぁ,そりゃそうだ.
相対論を破らない形で光速を超えた移動ができる,いわゆるワープエンジンのことだ.
いくつか理論的な計算が実際に行われ,NASAでは実験チームもできているらしい.
- JAXA内の解説ページ:反物質を使って空間を自由に飛び回る
- GIZMODEで紹介:NASAがスタトレのワープドライブ実現に本腰(動画あり)
- ↑の元記事,かな:Warp Drive May Be More Feasible Than Thought, Scientists Say
- アルクビエレ・エンジンの解説:Alcubierre drive
空間を強力な磁場で歪めて,宇宙船の前方空間を縮めると同時に後方空間を引き延ばすことで前に進む.
この際,宇宙船内には一切新たな加速度は加わらない.
つまり,移動と同時に船内の人が壁に頭をぶつけて悲しい事態になったりしない,ってことだ.
大事なのは,この航法なら光速を超えても相対論に矛盾しないってこと.
空間の膨張速度は光速を超えられる,ってことらしい.
実際,光速より速く遠ざかっている天体は沢山観測されているそうだし,
何よりビッグバン当初の「宇宙の晴れ上がり」のころには,
光速の60倍で空間が拡がっていった,といった宇宙論の見解がある→wikiの解説:事象の地平面
問題は沢山あるのだが,一番はどのようにして空間を歪めるほどの強力な磁場を生み出すのか,ってこと.
それに必要なエネルギー,当初の計算では,ちょっと移動するだけでも
木星ほどの大きさの質量をエネルギーに変えねばならない,とされていたが,
方程式を詳細に分析するうちに,それほど大きなエネルギーがなくても
これが実現できるといった解が見つかっているらしい.
「可能性がある」---相対論によって示されていた限界で,
夢想の上ですらごく近場の宇宙探索しか許されなかったのだが,
そうとも限らないよ,と示してくれていることが嬉しい.
ちょっち,デルタ宇宙域まで行ってくる.
なんちって.
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