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行ってきたよ「逆シミュレーション音楽」展!

岐阜県美術館でルドン展やってるので前から行こうと思ってたが,
ちょうど三輪眞弘氏がこの日,この美術館でミニコンサートを交えた座談会をする,
ってことでワクワクしながら行ってきた.


三輪氏の活動を知ったのは,10年ほど前,
丁度ここに赴任したとき割り当てられた
訳のわからない講義「総合演習」のネタ探しをしていた時だ.
みつけたのは「またりさま」
(参考動画:Reverse Simulation Music Part1/2
論理演算にしたがって進行する音楽を人間が演奏するという,
「逆シミュレーション音楽」.
要するに有限状態オートマトンを人間が模倣して演奏するということだ.
頭の上では起こることが容易く想像できるものの,
実際それを演奏するとなるといやいやなかなか面白いことが起こる.


論理演算というおそらく宇宙を選ばず常に同じ結果を導くもの
そういったイデアを身体表現によって現実世界に落とすという行為


そのあたりに,この芸術活動の発端がある,といったようなことを
座談会で三輪氏は話してたのかな.



そうそう,三輪氏作曲のFour bit counters for eight hands
に触発されて,実は前期の初年次導入演習では
クラス30人でXOR演算を利用した「自動音楽」演奏をやってみたんだ.
もちろん,演奏道具はドレミパイプ.

Boomwhackers/ドレミパイプ ダイアトニックセット(ドレミファソラシド)8音セット BWDW

Boomwhackers/ドレミパイプ ダイアトニックセット(ドレミファソラシド)8音セット BWDW

話の入り口は階段の電灯の話.上でも下でも,
いや何階あってもどこでも電灯はon/offできる.あれはXORなんだ.
で,じゃぁ皆も階段のスイッチになってみよう,って運びで30人ぐるっと輪になって演奏へ.
3クラスやっていくうちに,
どうすると演奏として成り立つかがだんだん分かってきて,
なかなかシュールな時間が生まれた↓

実際の演奏(1年中等数学C組)→mp3形式,2:38
一人から始めて,タイミングを見てどんどん開始点を増やして和音にした.
完全5度の音程のパイプを各自2本ずつ思い思いに持って,
XORルールに従って前の人の肩を叩く.
それだけなんだけど,音楽になるでしょ.


因みに,↓はケルンで行われたFour bit counters for eight handsの演奏.
美術館でのミニコンサートでもこれが演奏された.



そうだ,三輪氏のトークの中で「教育は暴力だ」というくだりがあったっけ.
全くそうだ,と思う.
特に新しい枠組みを生み出したい人たちにとって,
教育は邪魔以外の何物でもないはずだ.
しかし,そのあたりの感覚,「先生の言うまま」に,
教育に飼い慣らされてきた「良い子ちゃんたち」には分からないだろうな.
でも教育現場に向かう君たちこそ,
そんな子供もいるんだってこと,ちょっとは気に留めておいてほしいんだ.
人を伸ばす力―内発と自律のすすめ

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