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失われた9年,そしてまたこの先3年も失うのかぃ?

3年生の主免実習が終わって彼らもホッとしていることだろう.
今回の自分の担当となった学生たちは受入れ校側から上々の評価のようだった.
しかし,複数の教員から漏れ聞こえてくる話,
あるいはここ数年の実習先の校長からの直々の話では,
本大学の学生たちが現場で使い物にならない,
私立大学の学生のほうが余程使える,と評価され始めているようだ.
何より,教員の資質として最も大切であろう
子どもとのコミュニケーションが取れない本学の学生が多くなった,
とよく校長が嘆いているのを聞く.
「大学として,もっと現場に出向かせることをせねば勿体ないよ」
と切実な顔で校長に言われたこともあった.
おまけに,教育単科大学として何があっても守らねばならなかっただろう,
現場での4週間実習の期間を「先陣を切って」昨年から3週間に縮めてしまった.
全く反対の方向へ動いてしまっている.
だから,もうこの大学は「学生を教員に育てる役割」を放棄したのではないか,
と世間から見られても仕方のないことだろう.


実際この件は,現場の上層の教育関係者との話し合いのなか,
我々には一切議論の余地無く,現学長の一存で決めてきてしまったようだ.
一体どこからどういった圧力を受け,あるいはどういった団体の利害関係から
教育大学の役割撤退とも見えるこの決定に至ったのか未だに我々には知らされていない.
そもそも,4週間実習を受けられると思って入学した学生が
在学している中で変更したことも問題だ.
入学前に「ここで4年間学べます」と言っておきながら,
「事情が変わったので3年で卒業してもらいます」というようなもので,
権利を奪われた形の学生側から訴えが起こっても本来不思議ではない.*1
挙句の果て,ある理事は「3週も4週もそう変わらないから」などと嘯いたらしい.
二期制の実習校に配属された学生などは,3週に縮まったためにほとんど実習できない,
と本当に嘆いている事実を知っているのだろうか.


現体制トップが「新学部を立ち上げる」などと呆けたことに現を抜かしてきたこの6年間に,
小学校免許を出すようになった私立大学は着実に力をつけてきている.
私立にとってはまさに生き残りをかけた闘いだから,
資金マンパワー資源を無駄なところには使わない.
そしてやると決めたからには徹底的に結果が出るように動く.
かつ,見込み違いと判断したらすぐに撤退できる俊敏さもある.
1学年の頃から組織的に教育現場に出入りできるような仕組みも作り上げてきている.
そうして学生のうちから現場教員とのコネクションを
学生それぞれが作れるよう動いているらしい.
一方その間,当大学はというと,
当てのない学部構想に向けて人を新たに雇い,現員を再配置し,
まさにその人員配置の都合からくるカリキュラム再編成*2を行ったものの,
結果,文科省からダメ出しされて時間も資金も人材も無駄に消費してしまった.
こんな姿を見ていると,「国立の教育単科大学なんてもういらないんじゃないか」
と中央のお役人さんたちが本気で考えていることが正しいように思える.


だから大学教員も事務職員もいい加減いまの体制に辟易していると思ったけど,
なんだかなぁ,結局人は自分の生活を最優先するんだよなぁ.
いや,いま進行中の次期学長選の話なんだが,
反体制派候補は一次投票で1位だったものの,
二次投票では現体制派の2,3,4位連合には敵わないだろうな.


本当は,もう一度教育単科大学としての本分を
ちゃんと大学全体で見直すべき良い機会のはずなんだ.
私利私欲から離れた心ある人なら,このことが分かるはずなんだけど,
研究費優遇,将来ポストを見越した手懐け,名誉欲,権力欲...
やっぱり人はしがらみから離れられないものだからね.


現体制の6年間,そして現体制の傀儡だったその前の3年間,
そしてその体制を引き継ぐであろう次の3年間...
来年の4月のことを思うと,いまからゲッソリだなぁ...
奇跡,起きないかなぁ...

*1:尤も,3週間に短縮で喜んでいた,お気楽な学生も少なくはない.
君たち,教育大学に何しに来たんだ,ちょっとでも長く現場にいて学びたいと思わないの?と小突きたくなったが.

*2:一般教養科目がウチのウリだから」などと言って,教科専門科目を教育する時間がどんどん削られ
優先順位が下げられていくのだけど,それは新学部立上げ失敗の後付けの理屈ではないかぃ?
せめて自分の専攻した教科ぐらい深い知識と知恵を持って教えられるようにすることすら現時点でも危ういのに,
そんなところに力を入れてたら,本当に何もできない教員を量産してしまうんじゃないか.