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残念な国(9-b)―あたらしい憲法草案のはなし

ものもう あれこれ きょういく

お,やるじゃないか.
www.asahi.com
争点化を避けている政府与党に対し,マンガ雑誌らしい提起の方法だ.
ちなみにこれはかつての文部省(文科省ではない)が
戦後の新しい国の形を子供向けにやさしく説明したもので,
現在では青空文庫としてweb上で読めるようにもなっている.
文部省 あたらしい憲法のはなし
その中にある↓の画は教科書で皆見たことがあるんじゃないだろうか.
f:id:okiraku894:20160702170121p:plain
戦争に使われていたものを平和なものに作り変えていこうという国家の意気込みを表す,象徴的な画だった.
人々がこんなふうに心底平和な世界を願っていた時代だった.

さて,この「あたらしい憲法のはなし」を読んだついでに,
次の「あたらしい憲法草案のはなし」を是非読んでみて欲しい.

あたらしい憲法草案のはなし

あたらしい憲法草案のはなし

  • 作者: 自民党の憲法改正草案を爆発的にひろめる有志連合
  • 出版社/メーカー: 太郎次郎社エディタス
  • 発売日: 2016/07/02
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログ (5件) を見る
うんうん,なにしろ自民党の憲法改正草案を爆発的にひろめる有志連合が作っているんだ,
きっと素晴らしいこれからの新しい国の形を示してくれているに違いない.
出版社のHPにある内容紹介を見てみよう.

「国民が国家をしばる約束」から「国家と国民が協力してつくる『公の秩序』」へ.
草案の提案する憲法観の大転換を,起草者たちの論理と願望にぴったりとよりそって語る.

そうそう,もう本当にぴったりと寄り添い,ありったけの想像力を駆使して
どんな思いでこの草案が作られたのかを考えないと分からない内容だものね.
はじめに,を読んでみよう.

....
 憲法はいま,大きな分かれ道にたっています.政府と与党である自民党のあいだで,いままでの憲法をあたらしい憲法に変えようという気運が高まっているのです.
 憲法を変えるためには,衆議院と参議院のそれぞれで,3分の2以上の議員の賛成を得ることが必要です.両院で3分の2以上の賛成を得られたら,つぎには国民投票がおこなわれ,投票者の2分の1以上の賛成が得られれば,あたらしい憲法に変わります.
 このように,憲法を変えるためには,とても高い壁がたちはだかっています.それだからこそ,憲法は70年も変えられずにきたのです.
 ですが,この高い壁がこえられる日は,近いかもしれません.憲法を変えたいと思っている両院の国会議員の数が,3分の2を超えようとしているからです. 
 いいかえれば,いままさに,わたしたち国民ひとりひとりが,現在の憲法のままがよいか,あたらしい憲法に変えるべきかを問われているのだといえましょう.

おやおや,それは大きな変化だね.

 あたらしい憲法のもとになる案は,平成24年(2012年)4月27日に自民党が発表した「日本国憲法改正草案」(以下,憲法草案と略します)です.
 みなさんは,この憲法草案がどんなものかごぞんじでしょうか.よく知らないという人が多いのではないでしょうか.そんなことでは,いまのままの憲法がよいか,あたらしい憲法がよいのか,判断することができません.

うん,全くその通りだ.ちゃんと読み比べなくてはね.

 そこで、わたしたちも,70年近くまえの『あたらしい憲法のはなし』をみならって,『あたらしい憲法草案のはなし』をつくることにしたのです.
 わたしたちはこの草案をつくった人(起草者)ではありません。ですが、できるだけ草案をつくった人びとの気持ちによりそい、そこにこめられた理念や内容 をつたえたいと考えました。改正の意図がわからない点は自民党が出している資料などを参考にし、それでもわからないときは、起草者の身になって考え、ことばをおぎないました。

いやぁ,そうなんだ,どうしてそう変えようと思ったのか,さっぱりわからないところが沢山あるからね,
ありったけの想像力を駆使してもちょっと分かりかねることばかりだからね.

 憲法改正に賛成する人も,反対する人も,どうぞこの本をお読みください.この草案を考えた人びとが,どれほど強い,熱い思いをもって,あたらしい憲法をつくろうとしているかが,きっとおわかりになるでしょう.そのうえで,憲法を変えたほうがよいのかどうかを,しっかり考えてもらいたいと思います.

では目次を見てみよう.

  はじめに
1 憲法を変える理由
2 国民主権の縮小
3 戦争放棄の放棄
4 基本的人権の制限
5 強く美しい国へ
資料1 「あたらしい憲法のはなし」(抄録)
資料2 自民党憲法改正草案(現行憲法条文対照)

いやぁ,素晴らしい.
戦後70年,あの戦前の息苦しさを十分に取り戻しているこの国の
最後の総仕上げがこの草案というわけだ.

そして空気を読むことに長けた若者たちはより空気を読んで生きねばならない世界を望むんだね.
18~19歳「自民に投票」44% 本社調査 経済政策「評価」48% :日本経済新聞
www.nikkei.com

まぁ,真剣に考えて行動する同世代を「意識高い系」などと揶揄し,あるいは自虐する彼らだ.
人と違ったことを堂々と言う者達を鬱陶しく感じるのも想像に難くない.
ネット上いたる所で見られる若者によるSEALDS叩きはそんな空気の象徴だろう.
「列を乱すな!大人しくしていろ!」―これが日本の空気だ.
「ぜいたくは敵だ!」「一億総火の玉だ!」―あの時代から何も進歩していない.
国民精神総動員 - Wikipedia

そう.もう一度言うが,この国には結局,市民は育たなかった.
個人というものをその土台に据え,自分の頭で考え自分の言葉で話す市民は育たなかった.
戦後の学校教育は市民を育てられなかったのだ.
育ったのはひたすら空気読みに長けた大衆だけだった.
たとえ市民が育ちかけても,悉く「日本の空気」に呑みこまれていく国なのだ.
tokidoki.hatenablog.jp

戦後70年,リベラルな空気に抑圧されてきた日本会議のみなさん,おめでとう.
ようやく皆さんの目指す「良い子の国」新・大日本帝国の建国が間近となったのです.

tokidoki.hatenablog.jp

日本会議の研究 (扶桑社新書)

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日本会議 戦前回帰への情念 (集英社新書)

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