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私の身の回りのべき乗則(2)―名字編

今クールNHKが放映している名字番組
「人名探究バラエティー 日本人のおなまえっ!」ってのがある.
www4.nhk.or.jp
帰宅がてら見るのにちょうど良い番組なのだけど,
レア名字編ではハンコタワー1つ5000種の印鑑で人口の80%がカバーできるとか,
10万種の印鑑の在庫を持つハンコ屋さんがあってそれでも人口の98%だとか,
って話を聞いてると,「おお!冪乗則!」ってなって,早速検索.
直ぐに名字ランキングサイトが見つかる.
以下のグラフはこのページから参照.
myoji-yurai.net
幸いにもその名字におよそ何人いるか,のデータも合わせて書かれてあったので,
冪乗則が調べられる.さてやってみたのが↓
f:id:okiraku894:20170609153627p:plain
EXCELが吐き出す近似曲線がy\fallingdotseq4\cdot 10^7x^{-1.14}で決定係数R^2が0.98を超える.
やはりなかなか良い冪乗則になっている様子.
\log-\log plot が↓
f:id:okiraku894:20170609153628p:plain

それでも何だか二次関数っぽくもあったので,\log_{10}-\log_{10} plotでの二次近似を行うと
X=\log_{10} x,Y=\log_{10} yとして
 Y= -0.189X^2 - 0.0647X + 6.1599,決定係数 R^2 = 0.9997 となった.
因みに,人数が一人,すなわち Y=0 となるのが X\fallingdotseq 5.54 で,
すなわちランキングとしては x=10^X\fallingdotseq 347014 となって,
名字が約29万種あると言われているところからすると,ちょっと多めの評価になる.
もっとも果たして「一人」の状態までカウントして良いのやら,というところでもある.
f:id:okiraku894:20170609173723p:plain


日本の名字は分家制で名字の派生が起こったり同じ読みのまま漢字を変えたり,と
名字の生成/消滅の過程は集団遺伝の力学系のようでもあって,
名字の力学モデルなんてのも考えても面白いのかもしれない.