今週,ゼミ生6名の卒論の提出がとりあえず完結した(とりあえず).
決まったタイトル一覧.
- 「ボーッと跳んでんじゃねーよ!ー跳躍軌道と踏切動作の力学モデルー」
- 「フェロモンは裏切らないー蟻コロニーモデルを用いた巡回セールスマン問題の解法ー」
- 「オオハシくんには騙されないー簡易ダウトゲームの必勝戦略ー」
- 「AIは電気羊の夢を見るか―誤差逆伝搬学習法とニューラルネットワーク―」
- 「数のダークマター,超越数ー無理数度,リュービル数,そしてリンデマンー」
- 「勝利の女神はあなたにハニカム?ーHEXの必勝戦略と不動点定理ー」
ピンとくる人はピンとくる,あの名作「ブレードランナー」の原作タイトルのパロディーだ.
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アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))
- 作者: フィリップ・K・ディック,土井宏明,浅倉久志
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この映画が公開された当時の80年台,確かに第2次AIブームがあった.
当然自分も惹かれた分野だったのだけど,蓋を開けてみれば,その当時のAIはひたすら人間が場合分けを尽くしてそれをプログラムするといった,子供ながらに実に不毛だと思われる作業の繰り返しだった.
主にLISPで書かれたそれらプログラムは,「未来はそっちじゃない」と,そう確信できてしまうものばかりだった.
かつて子供の私は,人工知能というもう一つの知性の誕生に有る種の希望を見出していた.
人類とは違う知性,感情から完全に独立した知性というモノへの憧憬があった.
あの当時の研究ノートには確かに記されている.
「人工知能,いや人工知性が実現した暁には,君たちからみて人類はどう見えるのか尋ねてみたい.」と.
今や,人工知能のシミュレーションを個人がフリーで行える時代だ.
Sonyが提供するNeural Network Consoleはそのいい例だ.
dl.sony.com
今回の卒論も,この環境をフルに活用したものだ.
ところで,このエントリーを書こうと思ったのは,Googleが提供する,というか,実は参加することで人工知能への学習データを提供するという企てを知ったからだった.
quickdraw.withgoogle.com
これ,面白いよ.
もう,そうとう学習が進んでいるらしく,かなり怪しい絵でも分かってくれるようになっている.
マウスで描くとかなりメチャクチャなんだけど,分かってくれる.
で,「川」が出題されたのだけど,これが意外と難しくて判定してもらえなかった.
こうして,世界中の人がゲームとして参加しているうちに,GoogleAIは賢くなっていくって塩梅だ.
うまいよな,人間をゲームに誘って学習データを集めるっていう設計が.