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あいちトリエンナーレ2022ー第1次調査 県美編

冒頭,国際芸術祭「あいち2022」の間違いでは? と言うでしょうが,敢えて使うよ,あいちトリエンナーレ2022. 相変わらず下品な某市長が騒いだぐらいで「3年に一度の芸術祭」の名称を見かけ上変えるなんてのは,現代アートの名折れだ.

あいちトリエンナーレ2022ーライヒを全身で浴びる! - 遊び tokidoki 仕事

てなわけで,ネットで買った引換券から実券にするためにもまずは県美へ.
コロナ怖い怖いなので,できるだけ平日利用で(そのために有給を取った.というか年5日取らないと罰金だってさ.そうなると振替されない休日出勤日がどんどん溜まっていくのだけどね.まだ3月入試の振替分から残ってるよ.)

AC01 小野澤 峻《演ずる造形》
30分に一度動作する動く彫刻.秩序ー乱れー回復を表現してるそうだ.この手のロバストネスはカオス系でも見られるよね.2重振り子を利用したらどんな表現になっただろう?

AC05 Roman Ondak《事象の地平面(Event Horizon)》
100枚にスライスした木の幹に1917~2016に起こった人類の出来事を刻印した.会期中1枚ずつ新たに壁にかけられ,最終日に全部が並ぶそうだ.(会期が100日無いのですでに20枚ほどが掛けられている)1行(25年)の中に第1次対戦終了から第2次対戦開始までが収まってしまっている.木の命からすると儚い営みだ.

AC04b 奥村 雄樹《7,502,733》
なんでも作家本人は展示会場に来ることなく,指示書だけを与えて作品を現地スタッフが制作するというそんな展覧会があったそうで,で,今回の作品はその展覧会の再現を行ったものらしい.様々な作家の指示書に従いconceptual artを再現した(のかなぁ).

AC06a 和合 亮一《詩の礫》から?
詩人の作品.「放射能が降っています。静かな夜です。」ー東北大震災直後からtwitter上で展開した一連の詩.

AC07 Robert Breer《FLOAT》など
ドーム状の白いのと,手前の石版2つ,以上!かと思ったら,これちょっとずつ動くの!重そうなのに動くの!動かないだろうと思い込んでるものがゆっくり動くの.「端っこまで行ったらどうなるの?」とボランティアさんに聞いたら,感知して方向を変えるんだって.ルンバだね.そうなると途端に可愛い生き物に思えてくる.なお,この日はあと1匹はお疲れで現在工場だって.

AC08 Misheck Masamvu タイトル分からず
描く行為をそこに貼り付けているのだけど,じっと見てると勝手に何かが浮かび上がってくる.これもゲシュタルト.

AC11a Rita Ponce de León《雨の声》
詩と,あるいは言葉と音楽.本当はこの同じ部屋には,長い筒状でシーソーのように動かすことで音を奏でる擬音楽器なるものがあった.

AC11b Rita Ponce de León《魂は夢を見ている》
言葉の書かれたマリンバ状の板は自由に組み替えて詩を作り,さらにこれをたたいて奏でることができる作品.

AC11c Rita Ponce de León
よく見るとどれも人が描かれている.なんとなく好きだったから細かく撮ってみた.

AC12 Pablo Dávila《転移の調和》
いわゆるテレビ放送終了後の砂嵐のようなランダムドットをコンピュータで生成させて流す動画作品,が本体だろうけど,これはその横の壁面にあった作品.あれってじっと見てると模様が浮かぶんだよね.Reichの着想に通じるものがあるような.

AC15 カズ・オオシロ《オレンジスピーカーキャビネットとグレースケールボックス》
スピーカーが多数,とおもったら,キャンバスに描かれた絵.H鋼も板を着色して作ってあり,だまし絵のような作品.

AC14 André Komatsu タイトル不明
解説によれば,ミシェル・フーコーに絡んだ作品だそうで,新聞の塔はあるいはパノプティコン的な?でも立場が逆かな.

AC13 Fanny Sanín《アクリル No.1》など
ひたすら直線で構成された抽象画.

AC20 横野 明日香 タイトル不明
陶磁器用の粘土を掘り出した跡の瀬戸の山々.この方の作品,そういえば「瀬戸現代美術展2019」で見たね.

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AC21 大泉 和文《可動橋/BH 5.0》
「橋」が意味することについてのconceptual art.

と,10階の展示はこんな感じ(映像作品は撮れない).では8階へ.

AC43 眞島 竜男《MA・RU・GO・TO あいち feat. 三英傑》

AC48 山本高之と猩々コレクティブ《猩々大発生》
有松や笠寺といった地域で秋に行われる祭りで「猩々(しょうじょう)」なる人形が子どもたちを追いかけるのだそうで.子供の頃にこれに追いかけられるとちょっとトラウマかも.

AC46 井上 唯《“ほの国”を知るためのプロジェクト》
壁には流れ着いたものが掛けられていた.「交易」がコンセプトの作品とのこと.

AC34 ミルク倉庫+ココナッツ《魂の錬成》
張り巡らされた管.この吹き抜けを一つの大きな肺に見立てた作品.でも熱帯雨林の中にいるような(実際外に出るので暑い!)管の中は水がポトリポトリと通っていて音がする.湧き水のような仕組みもあった.コロナ禍に因んだ作品.

AC35 荒川 修作+Madeline Gins《問われているプロセス/天命反転の橋》
以前から養老にある「養老天命反転地」って何だろうと気になっていたのだけど,これは本来実現されるはずだった設計図とのこと.「我々はいずれ死ぬべき存在である」という概念は間違っているというコンセプトから作られた「天命反転地」.このコンセプトのもといくつかの施設が作られているようだ.

www.yoro-park.com
www.rdloftsmitaka.com

AC36 Mary Dhapalany 作品名不明
アボリジニ・マンダルプイ族のアート.

AC37 Byron Kim《サンデー・ペインティング》
日曜毎にひたすらその日の空を描いた作品.写真を撮らなかったけど,河原温の《I Am Still Alive》などといった,ずっと継続して作られる作品の一つの形.

AC32b Claudia Del Río 作品名不明
廊下の壁を覆うなが~い作品.

AC38 Abdoulaye Konaté《祖国の子供たちのための凧》《HIVとの戦い》など
短冊状にしたマリ産の綿織物を重ねて作られる作品.ただ美しいだけでなく,そこには様々な祈りが込められていて...

映像作品や撮っちゃだめ作品,ちょっと取りづらかった作品を除いて県美の調査は大体このようなもの.
以前にも増してConceptual Artが増えて,受け止めづらくなってきた感もあった.
さて,あと会場は,一宮,有松,そして常滑.もうちょっと集約して欲しいとも思うのだが,しかし行ってみないと分からないね.
aichitriennale.jp