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知性は倫理を超えるだろうか

れいのドレスの話を検索しているうちに,

そしてやはり白と金に見えるのだけど,
おっとついでに人間の静脈は青じゃないって記事も紹介しておくと,
(これはあの錯視研究ですっかり有名になった北岡先生の仕事)

いや,話したいのはそれではなく,ネズミの脳に人間のグリア細胞を注入したら
脳が大きくなったり,賢くなったよっていう一連の研究が行われてるんだって話.


A Competitive Advantage by Neonatally Engrafted Human Glial Progenitors Yields Mice Whose Brains Are Chimeric for Human Glia
Humanized Foxp2 accelerates learning by enhancing transitions from declarative to procedural performance
驚きなのはマウスの脳が別の種のグリア細胞を受け入れるだけじゃなく,
マウスオリジナルのグリア細胞より上位互換な人間のものを利用して
脳が大きくなるとともに賢くなるという事実だ.
これらの研究は21世紀で最も問題になるであろうアルツハイマーなどの
人間の病気治療に確実に寄与する結果だろうと思う.

ただあれ,なんだろうな,思い出すね,アルジャーノンを.
実験で生まれたネズミが,ヒトのやることを理解したら,
更にネズミが話すようになったなら,ヒトは躊躇するだろうか?
あるいはいつの時点でヒトは躊躇しだすのだろう?それとも全く?

いずれにしても人間以外の「知性」が現れるようになったとき,
どこかで「人間固有のもの」と勝手に思っていた人間の知性も
「ヒトの知性」として相対化されるのだろうし,
そのとき「倫理」というものも大きく見直されるのだろうと思う.
いや,別の知性と共存する(そう,できれば共存に留まって欲しい)時代では,
「倫理」というルールは機能しないのかもしれない.

Googleはじめとする超巨大組織が人工知能技術をどんどん吸い込んでいる.
実はもう「ヒトの知性」以外のものが生まれているのかもしれない.
広い意味での「人間主義」は終わりつつあるように思う.

アルジャーノンに花束を

アルジャーノンに花束を