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開口端でも気柱共鳴が起こるのはなぜ?

今年の卒論ネタの一つから.
金管などいわゆる開口端の楽器はマウスピースやリードからの振動を共鳴器で拡大させて特定の周波数の音を出すように作られているわけだが,それは反射波との共鳴によってなされるとされている.しかし,普通に考えると何の壁もない開口端で,どうして反射波が発生するのだろう,という素朴な疑問が起こるものである.確かにネットで検索すると,固定端反射するとか,壁がないのだから自由端反射だとか諸説流布されている.
で,なんだか分からなくなってきたので,仕方ないから実際に波動方程式からシミュレーションしてみることにした.
それが↓.processingで久しぶりに作ってみた.


上スクリーンでは真ん中に開口端の管を置き,開始直後に管左端でパルスを発生させ,それが波動方程式に従ってどう発展していくのかをシミュレーションしている.ただし,圧力波として表現しているので管の壁では自由端反射させた(作用・反作用の法則によって).残念ながら今のところ,スクリーンが有限なために起こる境界条件が上手く設定できていなくて,本当は無いはずの反射が薄っすらとスクリーン端でも起こってしまっている.

上スクリーンを横切っている水色線はマウスの Y座標に伴って上下に移動し,下のスクリーンにその水色線で切断した波面のグラフが描かれるようにした.これで,管内での圧力波の変化がよく分かる.
そして,その結果として見えるのは,確かに開口端であってもそこで圧力波が反射していること,しかも固定端反射のように振る舞っていることが見える.


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パルスの山はチューブ内を順調に進むが,開口端へ達っした途端,急激に山が谷へと変化するのが見える.固定端反射のようだ.
因みに,マウス右ドラッグでその場にパルスを加えて,さらなる波を起こすようにも作ってみた.

さて,この様子をじっと見ていると開口端で何が起こっているのか色々分かってくる.
まず,開口端へ達するとチューブの壁が消えて一気に空間が広がるので,波はチューブ内の平面波から球面波へと変化する.そのとき,より広い面積の「まだ圧力変化していない」媒質に触れることになる.チューブ内から出てきた平面波からすると,突然圧力変化を起こし辛くなってくる,ということだ.このことが壁のような働きをするのだろうと思われる.

媒質がいたるところバネのようなものだったと考えれば,チューブ内一定のバネ定数が開口端で急に大きなバネ定数に変化したということだろうか.チューブ内の柔らかいバネからチューブ外の硬いバネに波を伝えようとしているような感じだ.

そう思ってさらに検索を続けると,インピーダンスなる概念が出てきて電気回路に代替して説明していたりする.波の伝わりにくさをインピーダンスとして表現するというわけだ.

ところで元になる波動方程式

 \displaystyle
\frac{\partial^2}{\partial t^2}\phi(x,y,t)=c^2\left(\frac{\partial^2}{\partial x^2}+\frac{\partial^2}{\partial y^2}\right)\phi(x,y,t)

は,シミュレーションではもちろん差分化して解くのだけど,それは
 \displaystyle
\text{位置 $(x,y)$,時刻 $t$ での値 $\phi(x,y,t)\to$ セル $(i,j)$,時刻 $n$ での値 $p_{i,j}^n$}
と対応させ,
 \displaystyle
p_{i,j}^{n+1}-2p_{i,j}^n+p_{i,j}^{n-1}=c'^2\left(p_{i+1,j}^n+p_{i-1,j}^n+p_{i,j+1}^n+p_{i,j-1}^n-4p_{i,j}^n\right)

すなわち,漸化式
 \displaystyle
p_{i,j}^{n+1}=c'^2\left(p_{i+1,j}^n+p_{i-1,j}^n+p_{i,j+1}^n+p_{i,j-1}^n\right)+(2-4c'^2)p_{i,j}^n-p_{i,j}^{n-1}

によって計算していくことになる.ただし,今回のシミュレーションでは,あまり根拠なく c'^2=1/4とした.

残念な世界(1)

あれがリバティー
ユートピアのパロディー

    「パレード」の一節 / 平沢 進

https://www.newsweekjapan.jp/watase/assets_c/2020/10/RTX7YVPV-thumb-720xauto-216833.jpg

www.newsweekjapan.jp
僕らはいま,壮大なパロディーを見ている.
民主主義のパロディーを.

大国の落日はともかく,振り返ってこの国の民主主義はもとからパロディーだった.
欧米のパロディーから抜け出すことはなかった.
恐怖のパレードが過ぎ去った70年ぐらいでは,市民は育たなかった.
「モリ・カケ・サクラ」もどこ吹く風,ヤンキー総理の去り際は大円団だったものね.

https://pbs.twimg.com/media/EhSIZ2IVkAMAHtO?format=jpg&name=large

しかし,いまや世界中至るところで,「民主主義」は人類にとってパロディーに過ぎなかったことを証明しつつあるね.

そんなこんな考えてるところへ,こんなオチが流れてきた.


アカウントが "@realDonaldTrump" というところから笑わせてくれる.
そうわざわざ言わねばならぬほど,あんたの存在自体が Fake なのかい.

努々 省みるな
手遅れゆえ

    「パレード」の一節 / 平沢 進


【平沢進】パレード(歌詞付き)~映画「パプリカ」~

team Labo in NAGOYA

11月からやっていた team Labo in NAGOYA.
卒論騒ぎがようやく片付いたし,もう数日でこのイベントも終わってしまうので慌てて行ってきた.
もちろん代休をとっての平日の敢行.でないと,ちびっこ達に埋もれてしまうから.
場所は伏見の科学館.

team Laboの活動はずっと気になっていたし,もし自分が20代だったら絶対に就職を目指していたであろう会社だ.
人工生命と数学とアート.
この辺りの繋がりは1980年代頃からずっと気になっているテーマの1つだからだ.
今の世になって,ようやくあの頃夢想していた作品がこうして実現されて見られるようになった.

入って一つ目の部屋は花で象られた生き物たち.
これら生き物たちは,人の動作に対してインタラクティブに反応する.
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二つ目の部屋は象形文字に触れるとそれが実体化するアトラクション.
ヨーロッパの方々がえらく興奮しながら漢字に触れていた.
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三つ目の部屋は触れると何か一言しゃべるバルーンの部屋.
今ひとつピンとこなかったので撮影せず.

四つ目の部屋では大きなクジラが部屋全体を舞うなか,人々が描いた小動物たちがスキャンされて壁を這い回る.
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ほかにも手が置かれるとそれをよじ登ったり,弾くような動作をすると小人たちがふっとばされたり,などといったインタラクティブなプロジェクションのあるテーブルとか.
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滑り台を滑って果物や花にふれると,それらがワッと咲き乱れるアトラクションとか.
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最後の部屋も,描いた作品がそのまま水族館に登場して泳ぎ回るアトラクションだったり.
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このイベントは明らかに子供向けなんだけど,もう少しアートよりになるとまた面白い世界が描けそうなんだ.

このあと,県美の「コートールド展」にも行ってきた.
こちらはまた超有名な印象派作品ばかり.
一方で意外な人の意外な作品もあったりと,これがまた面白かったのだが,撮影はせず.
3月半ばまでやっているから,もう一度行ってみようかな.

いずれもILCE-6000+Sony SEL16-70Z F4.0, Lightroomにて現像

ともあれ今年度も終わった

終わったよ,本年度の卒業論文審査会.
気付いたら,プレゼンのタイトル画面がこんなことになっていた.
あれれ,センスが良くなっている!
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で,肝心の内容なんだが,昨年度の13代が優秀すぎて,ほとんど手がかからなかったのに対し,本年度14代では小人さんがほとんど出突っ張り.
これだけ出動したのはちょっと過去にはない.そして,もうこんなことはしない.
しなくて良いようにゼミ生を動かしていかねばね.

まぁしかし,プレゼンでは教育学部生らしく頑張った.
どうやらプレゼン練習の初期段階ではつべこべ言わず見守る(あるいは敢えて全く見ない)ほうが良いようだ.仲間内であれこれやる中で知恵をつけるらしい.


どういうわけか,一人トイレに行っているスキに撮影→
長年,ゼミに使っていたこのお気に入りの部屋も,改修工事で使えなくなる.1年後は自分の研究室でゼミができるかな(何しろ部屋面積が現在の2倍!)


そうそう,個人的趣味でもある「数理音楽」では,いくらか収穫があった.
やはり議論するとネタがいくつも芽生えてくる.
次年度,これらをまとめるともう一歩突っ込んで「調性音楽の組合せ論的特徴」が抽出できると思われる.

それはそうと,卒業論文のみのことではないのだが,この数年ますます学生たちの文章が拙くなってきているように思われてならない.
ついには自分の研究の総括であるイントロですら辿々しく,あるいは全く書けないという有様.
(といっても,今回は赤入れ添削作業をすっ飛ばしたので,それが教育的にはまずかったと反省している.でも,もうそんな元気が出なかったんだ.)
もう,AO入試とか学校推薦とか妙な入試枠なんか作ってないで,入試は国語一本で良いんじゃないかな.
母国語ができないなら,どんな学問もやれないのだから.
「アクティブラーニング」とか「主体的・対話的で深い学び」とか言う前に,まず「読み書き」きちんとしようよ.
もはや「教科書が読めない」のは,教員自身なのかもしれないよ.

【2019年ビジネス書大賞 大賞】AI vs. 教科書が読めない子どもたち

【2019年ビジネス書大賞 大賞】AI vs. 教科書が読めない子どもたち

  • 作者:新井 紀子
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2018/02/02
  • メディア: 単行本

「情の深さと浅さ」展

何だかんだと話題になったあいちトリエンナーレ2019.
今回も幾度かに渡って調査を行ってきた.
tokidoki.hatenablog.jp
tokidoki.hatenablog.jp
tokidoki.hatenablog.jp
tokidoki.hatenablog.jp
tokidoki.hatenablog.jp

と同時に,今回のトリエンナーレでは,それに付随するアート展にも足を運んだ.
tokidoki.hatenablog.jp

今回はヤマザキマザック美術館で催された「情の深さと浅さ」展の調査報告.
県美で唯一見られないでいた伊藤ガビンの展示の整理券を朝一で獲得して,予約時間までの2時間ほどで回ってみた.

柴田麻衣.
エレベータを降りてすぐ,大きな絵.
ヨーロッパ,アジア,南アメリカの戦争が,窓を通して.
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深川瑞恵.
ガラスの儚さと,命の強かさと.
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加藤真美.
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上田薫.
ハイパーリアルの絵画.
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長谷川哲.
もととなる写真を転写して,中心の人物だけ残して引っ掻いて周りを消した.
1枚目は確か円頓寺界隈の風景.
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河合里奈.
ちょうどその場に作家さんがおられて,何やら友人に熱く語っていた.
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清河北斗.
モビルスースの頭のような,王蟲のような.
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藤原史江.
樹だった記憶,とかそんなようなタイトル.
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蓮沼昌宏.
上の取っ手をゆっくり回すと,パラパラ漫画になる.
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吉田友幸.
光を描いている.
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山田七菜子.
その意味では,この作品も近いところを目指しているのかな.
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松浦進.
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田中里奈.
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杉山健司.
すごく奥行きを感じる作品なんだが,これ,柱状の箱の中に作ったものを鏡で反射させて見せている.
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高木基栄.
精神分析の用語をタイトルにしていた,ガラス作品.
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山内喬博.
コップのあとが机についちゃった,的な.
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原游.
Andy Warhol的な.
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大森準平.
縄文 in 2019.
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高橋大地.
よ~くみるとグラフ用紙のように細か~い線が描かれていた.
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設楽陸.
先日の瀬戸現代美術展にも出品してたね.
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セシル・アンドリュ.
辞書にこだわった作品.
どこに?シュレッダーで辞書を切り刻んでフラスコに詰めたり,1ページづつ切り取って折って重ねたり,ビリヤード玉のように丸めたり.
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公花.
染色の作品.
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山田純嗣.
2.5次元のような,不思議な空間.
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ところで,このヤマザキマザック美術館は,もともとアール・ヌーヴォー作品を多数コレクションしているところだ.
それらと現代アートを融合させて展示するといったことを,これまでにもしばしば行っている.
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そうこうするうちに,あっという間に2時間.
外は秋晴れだった.
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そして県美へ.
(撮影はいずれもILCE-6000+SEL35F1.8OSS and SEL1670ZF4.0, Lightroomにて現像.)

www.mazak-art.com