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中心にギュッとなる定理

久しぶりのエントリーなんだけど,
「中心にギュッとなる定理」でお茶を噴き出す今日この頃.
いや,長年やってきた「統計とコンピュータ」,
何とも歩留まりの悪い授業だったと改めて再確認している最後のチェックテストの解答から.

問題は「中心極限定理って何か,そのへんのおばちゃんに説明せよ」というもので,
それに対する一番面白かった解答をタイトルにした.
もう,どこから突っ込んだらいいか迷うレベル.

さて,解答はGoogleFormで集めたのですぐに結果が見えるのだが,
トホホな結果になったので紹介.

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あれほど「なんでも標準化すれば正規分布に従うとか,www」
って注意してきたのに,これだ.

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「標準化して分散0とか言ったらグーパンね」って言うたじゃない!

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この辺も丸覚えなんだろうなぁ...
あ,でも相関係数が0でも独立でないような具体例は
演習問題として自分でやってもらうだけだったので,それがいけなかったか?

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そして極めつけ.
なんだよ,相関係数5とか.
オー・マイ・ガッ!

手を変え品を変えあれこれトライした15年だったけど,難しい授業だったなぁ.
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memo-ここ暫くの office 2016 関連エラー

何だか5月に入ってwidows更新したら,オブジェクトに日本語入力するとすぐ↓のエラーが起こるようになってしまった.
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エラーの詳細情報は以下.

問題の署名:
問題イベント名: APPCRASH
アプリケーション名: EXCEL.EXE
アプリケーションのバージョン: 16.0.9226.2126
アプリケーションのタイムスタンプ: 5ae2586a
障害モジュールの名前: mso20win32client.dll
障害モジュールのバージョン: 0.0.0.0
障害モジュールのタイムスタンプ: 5ae1ccc8
例外コード: 0151d70f
例外オフセット: 0015fd68
OS バージョン: 6.1.7601.2.1.0.256.48
ロケール ID: 1041

で,再インストールしたり,更新プログラムを試したりしたが変わらず.
しかしやっと同じように困っている人を発見.
Excel 2016 の強制終了について - マイクロソフト コミュニティ
どうやらOffice 2016でGoogle 日本語入力を使うと起こるエラーのようで,Office IMEに戻したらエラーが無くなった.

狭いよ,こころ狭いよ,Microsoft!

Benford則を見てみた

今年も講義「統計とコンピュータ」がはじまった.
それが一般の学生なら興味を持つ話題であっても数学の学生はデータを眺めることが嫌いだ,というこの十数年の経験が気持ちを曇らせるのだけど,また新たなネタ作りを試みている.
今年はBenford則をやってみよう.というより統計教育でよく取り扱われる標準ネタであるものを今までやっていなかったことに気付いた.
ベンフォードの法則 - Wikipedia

下準備で比較的大きな桁数まで現れそうな株式市場からのデータに適用してみた.
2018年3月30日の東証一部上場企業4019社の「始値」と「出来高」それぞれの最高桁の数字の分布を眺める.
始値については「株価」としての適正な価格範囲が共通認識としてあるために理論的になるはずの分布からややずれる一方で,出来高については発行株式数が巨大な企業もあるために,Benford則が綺麗に表れている.
おお,ネタにするには良い感じだ.
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一方,数学の学生が興味を持ちそうな,与えられた数のべき乗の先頭の数字についてもやってみた.
(1.1)^n から (1.5)^nn=1 から 1000 まで行って各々先頭の数字を拾った.
こちらは更に見事にBenford則に当てはまっている.
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結局のところ,これらの現象は確率変数  X\log_{10}X の小数部分が [0,1) で一様分布することが元になっているのであって,何か珍しいことが起こっているわけではないのだけど,見た目にはへ~っとなりやすい.

そもそも数  X の最高桁の数が  m だということは適当な自然数 e によって
\begin{equation}
m\cdot 10^e\le X < (m+1)\cdot 10^e
\end{equation}と書けるということであり,
\begin{equation}
e+\log_{10}m \le \log_{10}X < e+\log_{10}(m+1)
\end{equation}となるから,つまり \log_{10}X の小数部分を眺めているに他ならない.そして
\begin{equation}
\sum_{m=1}^9\left(\log_{10}(m+1)-\log_{10}m\right)=1
\end{equation}となるものだから,ちょうど  \log_{10}(m+1)-\log_{10}m が数字  m の現れる確率となる.

特に数  \alpha\ (\log_{10}\alpha\not\in \mathbb{Q}) のべき乗ならば, n\log_{10}\alpha [0,1) に一様分布するという良く知られたWeylの定理があることから,殊更Benford則がはっきり表れることになる.

さて,このネタ,反応あるかなぁ...

新入生の気持ちをテキストマイニング

初年次演習なる大体全国の大学に導入されるようになってきた講義から.

本日第一回を行って,Google Formにてとりあえず気持ちのアンケートを取ってみた.

  • 問1.小学校から高等学校までの教室での授業(校内を含む)の中で最も印象に残っている良かった授業について1 つ以上,それが良かった理由や好きになったきっかけは何だったか?
  • 問2.小学校から高等学校までの教室での授業(校内を含む)の中で最も印象に残っている嫌いだった授業について1 つ以上,それが嫌いになった理由やきっかけは何だったか?
  • 問3.あなたが大学の講義に望むこと,期待すること,求めることは何?

これら記述式の内容54人分を集め,最近お気に入りでよく遊んでいる,User Localで使わせてくれるフリーのテキストマイニングにかけてみた.
www.userlocal.jp

2種の文章データを対比させてマイニングしてくれるので,問1と問2を対比させてみた.
Aが好きだった授業,Bが嫌いだった授業.
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好きな授業では学生の能動的関わりが現れるのに対し,嫌いな授業では受動性をもたらすような単語が並ぶ.おやおや,なかなか見事な結果だ.まさにR. deCharms の唱えるところの「自己原因性」が必要なんだってことだし,E.L.Deci が示したように「内発的動機づけ」が重要なんだってことだ.

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問3.の大学講義に望むことについてはどうだろう.
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やはり教員養成大学.一番に「教員」が出てくる.
そして実用志向がある一方で,深く学びたいという声も聞こえてくる.

ホント,この時期の新入生は良い.やはり希望に満ち溢れ,活き活きとしている.
彼らの学びのモチベーションがどうすれば維持されるのか.
教育システムに,そして我々に常に課せられている仕事のはずなんだ.
はずなんだけどね.

人を伸ばす力―内発と自律のすすめ

人を伸ばす力―内発と自律のすすめ

美術館はしご―シャガール→ミュシャ→はしもとみお展

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先週に引き続き,美術館探訪.

まず名古屋市美術館ではシャガール展.
ただし,今回面白いのはシャガールの三次元作品たちがテーマだったこと.
けれどいわゆる彫刻というよりは絵画の延長のような,レリーフのような作品.
シャガールの世界はあくまでも絵画的であって,そしてコラージュ的だ.
今回発見だったのはコラージュ作品を重ねるうちに
シャガールは時間もコラージュしていったのだということ.
だからシャガールの作品は時間軸まで含めた四次元的なんだってこと.
絵画なのにね.
いや,四次元から見た最も美しい物語風景を二次元に射影した,
ということなのかもしれない.

次に株主優待を使ってのミュシャ展@松坂屋美術館.
ミュシャは何度も見てきたけれど,
あの美しい女性たちの原点となる若き日の作品が見られたのは興味深かった.

そうして最後にヤマザキマザック美術館にて,はしもとみおの動物の木彫り作品.
ヤマザキマザックコレクションのアール・ヌーヴォ―の調度品たちに溶け込む木彫りの動物たち.

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そうそう,絵画もあった.
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彫ることが頭にあるから,解剖学的によく観察している.


高級ベッドで遊ぶ木彫りの猫たち.
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