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動機づけの内在化への挑戦―その後―

2年前に同じようなタイトルでエントリーしたのだけど,
今年度のScratch作品の紹介をここでしておこうと思った.
tokidoki.hatenablog.jp

この数年,何をしても反応が薄くなっていくので
今年度はもうどうなるものかと思ったが,意外にも高度な作品が生まれていた.
最終課題は例によってクローンか配列が使われていればOKの自由題.
それ以前の課題にも素晴らしいものが多くあったのだが,
今回は最終課題のみから抜粋,早速紹介しよう.
おっと,多くがgifアニメだから重いよ.



【数理部門】
256-14final
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小学低学年向けの算数教材.
一桁の引き算について「求残」と「求差」の二通りの考え方で説明している.
地味なんだけどよく見ると細かい様々な配慮がなされていた.

303-14final
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油分け算として知られる算数の問題を試行錯誤できる作品.
コップに入っているジュースの量をどう表現するのかと思ったが,
各量に対するコスチュームを作って対応していた.

【ゲーム部門A―アクション系】
初めにスタンダードではあるのだけど,かなり手をかけたと思われるシューティングゲームから.
272-14final

多彩な敵や弾の軌跡,多数のステージ等々,スタンダードではあるけれど十分に手がかけられていた.

306-14final
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様々な点で高度なプログラミングが成されていた作品.
なにしろ,説明文からして配列に入っているセリフから一文字ずつ表示させていく仕組みとなっていて,
そこだけでも十分な工夫になっている.重力のあるジャンプ系ゲームで進行するのだが,
そしてゲーム自体,自分にはとてもクリアーできない難しさだったのでデモではインチキしまくり.

【ゲーム部門B―謎解き型】
627-14final
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いわゆるパズルを解いて脱出する脱出ゲーム.
謎解きに使われた謎たちもさることながら,
カギ番号の入力方法や若干マルチエンディングになっているところなど,
よく考えられていた.

242-14final
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ミステリー仕立ての謎解きゲーム.
セリフを配列に入れ,登場人物によらないシステマティックなセリフ表示法とか,
プレイ時間が長くなることを配慮した「途中でセーブ」できるシステムとか,
犯人を捕まえるシーンではアクションゲームになったりだとか,
ストーリー性の高い作品となった.

【ゲーム部門C―パズル系】

275-14final
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いわゆるポーカー.実は2ペアを判定してくれない,とか色々不備はあるのだけど,
時間があればきちんと判定できるものになったであろう.
カードを扱うには配列の上で様々な置換計算が必要となる.
幸いコスチューム番号を使えたからこのあたりの発想がしやすかったのだろう.

295-14final
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神経衰弱.ただしコンピュータとの対戦型で,難易度も指定できる.
はて,どうやってコンピュータの難易度を決めたのだろうと見てみると,
どの程度カードを検索させるか,その範囲と確率で決めていた.
なお,カオスモードは一度でも間違えると全部カードが取られてしまう,無理ゲーになっている.

297-14final
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テトリス.Scratchの場合,ブロックの種類だけスプライトを用意しておいて
それを通常通り移動させると思うのだが,これはそういう作りではない.
いわゆる2次元配列のドット絵としてブロックを作り,
配列要素の入れ替えによって移動をする,というものだ.
なるほど,一列揃ったかどうか,こちらのほうが判定しやすいもんね.

294-14final
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ターン制のゲーム.次第に増えるモンスターに対して如何に複数からの攻撃を避けながら攻撃するか,
その移動方法に知恵を使うパズルゲーム.

288-14final
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言わずと知れたパズ◯ラなのだが,これをまさかScratchで作るとは思わなかった.
もちろん毎度色の判定と検索をしているので動作が遅くなるのは仕方ないのだが,
アイディアの地道な組み合わせでこんなものが作れてしまうわけだ.
「俺の知ってるScratchじゃねぇ」感たっぷりの,今年度最も驚いた作品である.